【実際どう?】海外赴任のメリット・デメリットを元駐在員がまとめてみる

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今回は海外赴任のメリットやデメリット、海外赴任するまでの準備などの実態を、元海外駐在員である僕の実体験からまとめた。

 

僕は過去にアフリカに海外駐在員として赴任をしていた。アメリカやヨーロッパと異なり、海外駐在員の派遣先としてはなかなか過酷な土地だったと思う。

 

言葉も文化も異なる地域だったが、海外赴任をして良かったこと、大変だったことが思い出すだけでもキリがないほどたくさんあった。海外赴任はもちろん、なかなかアフリカでの仕事を経験している人はいないので、今回はそれらをまとめてみた。

 

海外赴任は不安になることも多い環境だと思う。海外の生活に慣れずに、うつ病の人も一定数発生している。

 

それでも僕は、海外赴任をして本当に良かったと思っている。あくまで今日は中立な立場で海外駐在の実態を述べたい。海外赴任を目指している人、現地就職・ワーキングホリデー等を通じて海外で働きたい人、また駐在員の家族として海外赴任をする人にも読んでみてほしい。

 

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▼これから海外駐在員を目指したい方は以下記事もどうぞ。海外駐在員を目指す具体的ステップや、海外駐在員のキャリアがわかるだろう。

関連記事:海外駐在員になるには?海外赴任したい方へ、元駐在員の僕が方法を解説

 

海外赴任・海外勤務のメリット5つ(海外駐在して良かったこと)

まずは海外赴任をして良かったこと、そのメリットをまとめていく。

 

1. 英語が話せるようになった

海外赴任を通じて英語を話せるようになったことは、海外赴任をして良かったことだ。もともと海外へ行く前から英語を独学で勉強をしていたが、本当の意味で英語力がブラッシュアップされたのは海外赴任をしていた間だった。

 

英語圏の地域に海外赴任をすると、嫌が応でも日々英語に接することとなる。中には日本人同士で固まって行動し、駐在してたのに全く英語が話せない駐在員や駐在員家族もいる。勿体無いこと極まりないが、自分から積極的に現地の人と交流していくことで、海外赴任の密度は高まっていく。

 

僕のいったアフリカは英語圏かつ日本人などほぼ皆無だったので、今となっては英語のコミュニケーションにはほとんど困ることはなくなった。海外赴任をして本当に良かったと思っている。海外赴任は現地の言葉を身につけられることが大きなメリットだ。どこの国、言語でも、日本語以外に使える言語があると世界はぐっと広がるのだ。

 

2. 生き方や働き方のオプションが増えた

海外赴任を通じて、生き方や働き方のオプションが増えた。というより、無意識に自分を縛っているものが取り除かれて、自由に物事を考えて選択することができるようになったと表現した方が適切かもしれない。

 

僕は日本人は「右に倣え」の文化が異常に強過ぎると思っていて、それは海外に出てから余計に強く感じるようになった。そもそも海外には「みんな一緒が一番」「個性的より普遍的」という考えが少なく、「いや、みんな違って当たり前でしょ」という文化が根底から形成されているため、みんなとにかく自由に生きている。

 

そんな彼らの生き方を間近で見ていたら、どんなに鈍感な人でも「そもそも右に倣えをする必要って本当にあるのだろうか」と感じてしまうだろう。僕自身も無意識に周囲の目を気にし、右に倣えをしていた日本人の一人だったので、実際に海外で彼らと生活を共にし、余計に感じることがたくさんあった。

 

自分を閉じ込めている殻は、実は全て「自分自身」で作っているのだ。特にアフリカは日本とは完全に異なる生き方をしている人が多かったので、そもそも常識なんてものは僕たちが勝手に作り出しているだけで、世界から見れば全く常識ではないことを体感した。「もっと自由に生きて良いんだ」、そう思えるようになったことは、海外に出て本当に良かったことで、大きなメリットだと感じる。

 

3. 異文化理解の本当の意味がわかった

「海外の国は文化が異なるので、異文化理解をしよう」

 

このように、海外の人と交流する際には異文化理解の重要性を強調することが多いが、果たしてこの言葉の本当の意味を知り実践できている人がどれだけいるだろうか?実感値として、本当の意味で異文化理解をしている人は少ないと思う。

 

異文化理解ができる人とは「異なる文化や考え方を理解し、それらに自分を合わせることができる人」のことだ。海外駐在員でありがちなのは、日本でうまくいっているやり方を、いきなりその国にそのまま当てはめてやってしまう点だ。やり方とは時に考え方であり、時に仕事の進め方であるが、日本のそれを海外にそのまま持ち込むと高い確率で失敗する。僕は海外赴任中に、こういうやり方をして失敗した駐在員を多くみてきた。

 

大前提は彼らの考え方ややり方を尊重すること。その上で、日本人として発揮できる強みを、彼らの仕事の中に組み合わせていくことだ。土台はあくまでも彼らの文化や考え方が基盤だ。その基盤を取り除き、海外で日本文化を植え付けようなんて考えることは、もはや自分を外部から来た敵と見てくれといわんばかりの行為だ。

 

異文化理解は深い。これは実際に現地へ足を運び、彼らと生活したり仕事をしないと体感できないことだと思う。これを経験できることは、海外赴任の大きなメリットだと思う。

 

4. 待遇が上がった

現金な話になるが、海外赴任の待遇は凄い。日本ではまず住めないような豪邸、運転手付きの車、ビジネスクラスでの日本への帰省費用。これらのほとんどを会社がお金を出してくれる。

 

さらに、普通に日本でもらう給料以上よりも赴任時は給料が上がるため、嫌でも数百万円単位でお金が貯まっていく。僕も海外に出ている間はほとんど自分のお金を使わず、お金がとにかく貯まる一方だった。この待遇の良さは海外赴任の大きな大きなメリットだと思う。

 

実際にどのくらい給料がもらえるのか、海外駐在員のリアルな給料事情は「海外駐在員の給料・年収事情について元駐在員が暴露する【結論、稼げる】」を参考にどうぞ。

 

5. 今後のキャリアや転職に活きた

海外赴任経験者は社内はもちろん、転職市場でも評価される。社内であれば出世コース、転職市場であればグローバル人材として扱われ、待遇も上がりやすくなる。キャリアに箔が付くという点で、海外赴任は大きなメリットだ。

 

実際、僕自身も海外赴任をしたことで、転職市場で良い評価を得ることができた。世界時価総額ランキングでトップ10に入る外資系IT企業をはじめ、多くの内定をもらうことができたことがよかった。

 

駐在経験は今後のキャリアに活きるので、ぜひチャレンジすると良い。駐在員のキャリアは「海外駐在経験は転職に有利?元駐在員で現在転職支援をしている僕が解説」の記事でまとめている。

 

海外駐在経験は転職に有利?元駐在員で現在転職支援をしている僕が解説

 

海外赴任・海外勤務のデメリット3つ(海外駐在して大変だったこと)

メリットを述べてきたので、続いて海外赴任のデメリットもまとめていく。

 

1. 日々の食事

日々の食事は大変だった。国にもよるだろうが、特に発展途上国と呼ばれる国々においては、外食で日本食を食べれるところも少ない。現地の食事が舌に合わない場合、苦労するだろう。

 

そんな中僕がしたことは「料理」だ。日本の調味料さえあれば、現地の食材を用いて日本風料理を作ることは可能だ。海外で生活したい人は、日本にいる間から料理を実践してスキルを高めておくことを本気でおすすめする。衣食住という言葉もある通り、食は人間の生活を形成する重要な要素だ。食で感じるストレスはかなり大きいので、自分で日本の味を作れるようになっておくと、どこの国へいっても暮らしていけるはずだ。

 

2. 病院

海外赴任中に何度か病院へ通ったが、とにかく不安で、大変だったことを覚えている。

 

まず、病院で使われている言葉は難しい用語が多く、診断内容を理解することも一苦労だ。加えて、海外の病院の質は正直測りにくいところがある。駐在員行きつけの信頼できる医者がいればそこに通えば良いが、そのような病院がなかった場合、病院探しは慎重にしなければならない。

 

ちなみに僕の周囲では、虫歯になって病院へ通ったら、その場で歯を抜かれてしまった人がいる。こんなことにならないよう、特に歯に関しては、日本でしっかり治療してから海外へ出よう。

 

3. 仕事全般

仕事全般はとにかく大変だった。そもそも、多くの人は海外で英語を使って仕事をしたことがない。そんな中、急に海外赴任をし、現地の人々に混じって仕事をすることはかなりハードルが高いし不安に感じることも多いはずだ。

 

仕事がとにかく大変なのは事実だが、それでも、外国で仕事をすることはあなたのキャリアに大きな良い影響を与える。

 

グローバル化が進んでいる中、海外赴任経験者の需要は高まっている。この先10年の間で、日本企業にも多くの外国人が入ってくるだろう。明日から急にあなたの上司が外国人になる可能性も否定できない時代だ。海外赴任の経験は、日本にいても海外にいても、どちらにせよ大いに活きる経験となる。だからこそ、チャンスがあるなら絶対に経験しておくべきだ。

 

以上が海外赴任をしたメリット、デメリットだ。

 

なお、僕が20代で海外赴任して感じたことは「【体験談】20代で海外駐在員になった僕が、20代海外駐在員のリアルを語る」でも紹介しているので、こちらも参考にどうぞ。

 

なお、海外駐在には「女性特有」のデメリットもある。女性の海外赴任は「【女性の海外赴任】に関する悩みや得られることを元海外駐在員が解説」を参考にどうぞ。

 

海外赴任前の準備について

さて、最後に海外赴任をするにあたっての準備について述べたい。

 

海外赴任前にはいろいろと準備することがある。

 

  • 今の仕事の引き継ぎ
  • 現地での仕事の事前把握といった業務
  • 日本の家の引越し
  • ビザの手続き
  • 赴任する場所によっては予防接種

 

など、とにかくやることが多い。

 

それらは当たり前にやらなければいけないことなのでやるとして、多くの人が優先度を落としてしまう「準備」を2つ挙げておく。

 

海外赴任をこれから目指すなら、やっておくべきことは以下の2つだ。

 

  1. 語学の学習をしておく
  2. 海外駐在できる企業へ入社を目指す(あなたが海外駐在できる企業に所属していない場合)

 

これを読んでいるあなたは既に海外赴任が決定しているかもしれないし、もしくはこれから手を挙げようか悩んでいるかもしれない。あるいは海外駐在をする方の家族かもしれない。

 

いざ海外赴任が決まってから、海外赴任をするまでの期間はだいたい1ヶ月〜3ヶ月くらいが一般的だ。現地で使う言語を勉強していなくても行けばなんとかなるが、最低限基本的な語学学習はしてから現地へ行こう。語学の準備を全くやってないと現地でスタートはとにかく苦労するし、何より無駄な時間を使うことになる。

 

加えて、語学を事前に習得しておくと「海外駐在員に選ばれやすいメリット」もある。海外赴任を目指したいなら、語学は必ず習得しておこう。

 

さらにいえば、語学ができない状態で海外駐在員になると、現地で苦労している人がとても多い。

 

日本から海外駐在をする方は、現地の部下から「品定め」の目で見られることになる。たどたどしい英語ばかり使っていては、間違いなく初めからなめられる。

 

例えば中国に行った僕の友人の日本人は、朝オフィスに入ってデスクに向かって歩いてる時でさえも、50人の部下が自分の手の指先まで隈なくチェックしている視線を感じてプレッシャーを感じていたそうだ。「こいつはどんなやつなんだ?」「使えるやつなのか?」と彼らは品定めをする。

 

日本から駐在で来る人は、現地のスタッフより、下手したら数十倍も待遇が良い。だからこそ、スマートに自己紹介や簡単な会話はできるレベルになっておこう。

 

 

もう一つが、そもそもあなたが海外駐在できる会社にいない場合、まずは「海外駐在できる企業へ入社を目指すこと」だ。

 

どれだけ海外駐在員になりたくても、駐在員を輩出している会社に所属していないと、海外赴任することは絵空事になってしまう。

 

とはいえ、どうやって行動すればいいかわからないと思う。具体的な方法は「海外駐在員になるには?海外赴任したい方向けに元駐在員の僕が解説【海外勤務できる企業も紹介】」で紹介しているので、駐在員を目指したい方はご参考に。

 

上記記事の方法で準備を進めれば、海外駐在員の人生も拓けるはずだ。

 

海外赴任のメリット・デメリットまとめ

最後に、海外で働くことはデメリットもあるが、それ以上に多くのメリットがある素晴らしいものだ。ぜひとも海外にいくチャンスがあるなら、恐がらずに手を上げてほしい。不安も尽きない海外駐在だが、それ以上の、人生の宝になるような経験ができるはずだ。

 

一人でも多くの日本人が笑顔で海外で働き、豊かな人生を送れることを願って今日は終わりにする。

 

 

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新卒で大手グローバル企業→20代で海外赴任→現在は本業で転職支援、副業で会社経営。『Travewriter』は、IT・Web・グローバルを中心としたスキル習得やキャリア・転職情報について、実際に経験した体験談をベースに発信している学習・キャリアの情報メディアです。