「海外で働きたい」
漠然と海外で働くことを夢みる人は多いと思う。20、30年前に比べ、日本人が海外で働くことは珍しいことではなくなった。今この瞬間にも、日本の空港には、期待と不安を抱きながらも異国の地へ旅立っていく人がいる。
今回は「海外で働く」という夢や想いを持っている人に向けて、海外で働くを叶える現実的な方法や、選ぶべき仕事・職種・職業を紹介していく。男性女性、文系理系、大卒高卒問わず、10代20代など若い方はもちろん、30代や40代以上の方でもできる、外国で働く方法だ。
僕は学生のころにカナダへ留学をし、その後20代でアフリカへの海外駐在を経験した。アフリカを起点に、北米、南米、アジア、ヨーロッパ、中東と、世界中を舞台に仕事をした経験から、いまでも海外で働く魅力に惹かれている一人だ。
この記事では僕が実践した、または現地で見てきた経験をもとに、海外で働き、収入を得て、生活するための具体的かつ現実的なステップを1から書いていく。
目次
【海外で働く】海外で働きたい、海外で仕事がしたいと思ったらまず初めに考えるべきこと
海外で働きたいという想いを実現するためには、海外で働くまでのプロセスを戦略的かつ現実的に考えていくことが大事だ。海外で働きたいと思ったとき、まずはじめに考えるべきことは3つある。
1. なんで海外(外国)で働きたいのか?理由や目的を明確にする
まずは「なんで自分は海外で働きたいのか?」その理由や目的を明確にしよう。
海外生活は言葉にできない魅力がある一方、思っている以上に大変だ。日本語は通じないし文化も異なる。食事も合わない場合もあるし日本の友達や家族ともなかなか会えなくなる。
それでも「海外で働きたい」という明確な目的があれば、海外で働くことを目指そう。
目的がはっきりしていてブレなければ、海外生活は素晴らしいものになる。日本では味わえない感動や、幸せなライフスタイルを築くこともできる。
2. 働きたい国と必要なビザの種類
海外で働きたいと一言で言っても、国が異なればプロセスは異なってくる。その大きな要因は「ビザ」だ。
実は、海外で働くための一番の壁は、英語でもスキルでも年齢でも資格でもない。「ビザ」だ。
海外で働くためには基本的に「労働ビザ」が必要なのだが、この労働ビザの中身や呼び方も、就労する国によって異なってくる。
一例を挙げると、例えばアメリカの場合、日本人が就労する際に必要なビザは「H-1Bビザ」だ。これは雇用する企業側が、その人の能力やスキルを必要とした場合に発行されるビザである。
このビザの場合、申請条件として「その分野における四年制大学卒業以上の学位またはそれと同等の実務経験(12年以上)」が必要となる。アメリカには他にも「E-1 貿易・投資家ビザ」や「L-1 企業内転勤ビザ」などがある。少し分野が違うが、移住用のビザなどもある。
このように、一つの国内でもビザの種類は複数あり、国が違えばビザの申請条件も異なってくる。
まず自分が行きたい国がどのようなビザが必要であるか、確認しよう。それがファーストステップだ。
なお、海外で就職する企業によっては、内定まで取れれば、現地で働くための「ビザの発行手配」までサポートしてくれるところもある。
この後に紹介するステップで、海外就職できる日系企業・外資系企業等へ就職・転職すれば、ビザの問題は解消できるので安心してほしい。
3. 自分が持っているスキルや資格、経験
次に知るべきは「今のあなたの状態」つまり「自分が持っているスキルや資格、経験は何か?」ということだ。
すぐに海外に行って生活できるだけのスキルや資格、経験はあるのか、それともスキルや経験、人脈もないのか。今の自分の立ち位置を知ることで、選ぶべきルートは変わる。
事例:海外で働くために役立つ資格の例
例えば「資格」でいえば、英語の「TOEFL」「IELTS」といった語学系の資格は、海外で働く場合の履歴書でも書けるものだ。
また「米国公認会計士」という経理財務・監査の資格は、英語力以外の資格として、海外の主要各国で働く際に武器となる資格だ。
どちらも日本国内で受講することができ、海外で働くことを有利に進められる資格である。
こういったスキル・資格・経験を把握するためにも「自分の棚卸し」をしよう。自分が今までやってきたこと、習得したスキル、価値のある経験、これから習得していけそうなスキルや経験、資格を見直そう。
その上で、これから挙げていく選択肢のどれが一番自分に合っているか考えてみよう。働き方は多様化しており、あなたが文系でも理系でも、大卒でも高卒でも、どんな経歴でも選べるルートはたくさんある。
海外で働きたいと思ったら、以上の3点をまず考えよう。
海外で働くには?海外で働きたいを叶える現実的な方法や職種・仕事
働きたい国とそこで働くためのビザの申請条件、そして必要なスキルや経験を確認したら、次は現実的に海外で働くための方法や職種・職業・仕事を確認していこう。
人気のアメリカやカナダ、ヨーロッパやオセアニアをはじめ、どんな人気国でも実現できる「海外で働く方法」は次の5つだ。
- ワーキングホリデー→海外就職する
- 専門留学⇨海外就職(現地採用)
- 海外就職用の転職エージェントに登録⇨海外勤務案件に応募
- グローバル企業に就職・転職⇨海外駐在
- 海外にいながら日本の仕事をする
1. ワーキングホリデー⇨海外就職
ワーキングホリデーは18歳〜25歳(または30歳)までの年齢の人を対象に、異国の地で休暇を楽しみながら、生活費を稼ぐための就労が許される制度だ。
あなたが30歳未満で、海外生活がどんなものか体験してみたいなら、ワーキングホリデーは一番手軽な方法だ。
ワーキングホリデーの期間は基本1年間もらえる。それより少ない分には調整可能だが、1年間は現地で生活しよう。1年間現地で暮らし、外国人と働く体験は貴重な異文化体験となる。
ワーキングホリデーで海外で働く場合の職種
ワーキングホリデーの職種は次のようなものが一般的だ。
- レストラン・カフェ・バーの店員
- ショップ店員
- ホテルのスタッフ
- 現地ツアーガイド
- 留学会社のオフィスワーク
- 家事の手伝い
見てわかる通り、サービス業がほとんどだ。女性が海外で働く際にも人気の仕事で、高度なスキルが必要とされない職種であることはメリットといえよう。
一方で、どれも単純な労働生産型の職種がほとんどのため、収入水準が低く、特定スキルが身につく職種ではないことはデメリットだろう。
- ワーキングホリデーのメリット:高度なスキルが不要で、誰でも海外で働きやすい(女性がはじめて海外で働く場合もおすすめ)
- ワーキングホリデーのデメリット:収入が低く、海外で働くための特定スキルも身につかない
このようなメリット・デメリットがある中で、ワーキングホリデーがおすすめな人は「海外で働く経験を通じ、将来的に本当に海外で働き続けたいか、実際に体感してみたい人」だ。
海外で生活し働くことを漠然と夢みる人は多いが、実際に体験してみない限りは、それが自分に本当に合っているかはわからない。ワーキングホリデーは海外で生活する・仕事をする実体験を得ることができる点でメリットがある。
ただ、ワーキングホリデーはあくまで「ホリデー」であることを忘れてはいけない。ワーキングホリデーのメインは「観光」であり「仕事」ではない。海外で働くを実現するためには、ワーキングホリデーの経験を次に生かさなければいけない。
ワーキングホリデーで海外にいる間は「この先は自分はどういう道に進みたいのか?」を常に自問自答することが大事だ。海外での仕事が自分に合っていると感じたら、海外での就労経験を次につなげよう。
✔︎ ワーキングホリデーのメリット→海外で働く経験を通じ、「この先も本当に海外で働きたいか」を、実体験から感じ取れること
そういう意味でワーキングホリデーは、海外で働くための下地作りの位置付けで考えるのが良い。ワーキングホリデーのことは日本ワーキング・ホリデー協会のサイトをまずは見てみよう。大抵のことはここでわかる。
2. 専門留学⇨海外就職(現地採用)
ワーキングホリデーが海外での就労経験を手っ取り早く得る方法であれば、次に紹介するのは、より本格的に海外就職を手繰り寄せる方法だ。
海外で良質な仕事に就くことを目指すなら「留学」をしよう。付け加えると、ただの語学留学ではなく、特定の専門スキルを身につけるために「専門留学」をしよう。
✔︎ 海外で良質な仕事に就きたい→特定スキルの習得のために「専門留学」することがおすすめ
専門留学とは、特定の専門分野の知識やスキルを身につけるための学校・大学等に留学する方法だ。「デザイン」「クリエイター」「マーケティング」「ファッションスタイリスト」「プロダクトデザイン」「スポーツ科学」「コーチング技術」「会計」などの特殊技能を養成するための学校であり、ただ英語を学ぶだけの語学学校とは異なる。
なぜ語学留学ではなく専門留学を推すか?それは、海外で仕事探しをするためには「英語+何か」が必ず必要となるからだ。語学留学であれば身につくのは「英語だけ」だが、専門留学であれば「英語+何か」が身につく。海外で働くというゴールから逆算すれば、取るべき道は後者だ。
おすすめの専門スキルはWebデザイン・Webマーケティングスキル
個人的なおすすめは、WebデザインやWebマーケティングなど、Web関係のスキルだ。
WebデザインやWebマーケティングは海外でも需要が高い。例えば海外ではマーケターの年収が1,000万円を超えているケースも多くあり、マーケター=高収入を実現できる仕事として認識されている。
アメリカなどは特にマーケターの収入は大きく、優れた技術を持っていれば海外就職も現実的なものになるのだ。
WebデザインやWebマーケティングは、年齢も出身学部も職歴も関係ない。例えば「30代文系でスキルが一切ない方」でも、これから学べば間に合うスキルだ。
Webデザインやマーケティングのスキルが全くない人であれば、まず自分がWebデザインやマーケティング系の仕事に合っているかどうか、日本で勉強をしてみると良い。
「専門スキルを身につけ、海外で働きたい」と思う方は、選ばれ続けて27年、世界水準のWebデザイン・マーケティング技術を学べる国内有数のWebスクール「インターネット・アカデミー」の受講を検討してみよう。
インターネット・アカデミーは、アメリカのニューヨーク・ボストンなど世界中に支店と研究室を持ち、マサチューセッツ工科大学などと一緒に世界のWeb技術の仕様を決めている世界的なスクールだ。
インターネット・アカデミーが開講しているWebデザイン/マーケティングコースでは、海外で働くための本格的なWeb技術を学べる。
しかも国から認められ、国の給付金制度で最大56万円の支給を受け、受講料に全額充てることができる。金銭的な負担を抑えて、海外で活躍できる本格的な専門スキルを得られることも、世界的なインターネットアカデミーの大きな特徴だ。
インターネットアカデミーでは、世界で通用する専門的スキルに興味がある方向けの「無料カウンセリング」を開催している。世界で活躍するスキルを得るためにはどう学習すればいいか、無料で有益なアドバイスをもらえる場だ。
受講すれば海外で働く未来が一気に拓けるスクールだが、無料で話を聞いてみるだけでも、今後に活きる貴重な情報を聞けるだろう。興味がある方は気軽に話だけでも聞いてみると良い。
インターネットアカデミーを筆頭に、最短でWebデザインやマーケティングが学べるスクールは「【徹底比較】Webデザインスクールおすすめ6選」「Webマーケティングスクール・講座おすすめ6選比較」でまとめている。
3. 海外就職用の転職エージェントに登録⇨海外勤務案件に応募
すでに海外で働けるだけのスキルを持っているなら、海外に強い転職エージェントを用い、海外勤務のチャンスがある仕事・求人に直接応募するのが一番の近道だ。
昔から転職エージェントに登録していた人ならわかると思うが、近年は男性・女性問わず、海外向けの求人の数が着実に増えている。アピールできるだけのスキルがあれば、挑戦してみることをおすすめする。
例えばロバート・ウォルターズという転職エージェントは、英国ロンドンで発祥した転職エージェントである。「英語を使った求人」に特化していることが最大の特徴であり、海外と関わりを持てる仕事が見つかるエージェントだ。
ロバート・ウォルターズは海外就職に特化したエージェントではないため、いきなり海外就職はハードルは高いものの、中にはリモートワークで海外と関わりを持ちながら働ける仕事などもある。海外で働きたい強い想いを持っている人にとって、ロバート・ウォルターズは大きな力になってくれるだろう。
ロバートウォルターズは無料登録すると、実際にどんな仕事があるかを知ることができる。海外で働きたいと願う方は、まずは無料登録し、自身の可能性を探ってみると良いだろう。
✔︎ 海外で働くスキルを持っている→海外に強い転職エージェントを使い、海外勤務のチャンスがある、海外と関わりを持てる仕事・求人に応募する(海外で働くなら、これが一番の近道)
ただ、最初から海外就職を目指す方法のデメリットは、多くの場合「待遇面」が良くないことである。最初から高い専門性を持っていれば話は別だが、海外求人に直接応募する=現地採用されるという構造なのだが、特にスキルや経験がないまま現地採用を目指す場合、給料水準は現地の外国人たちと同じくらいになるケースが多い。
高い専門性を活かし、給与水準の高いアメリカ等で就職できるレベルであれば高年収も実現できるかもしれないが、ほとんどのケースでは年収面は期待できないだろう。
なので、まずは前述したロバート・ウォルターズを使って海外と関わりを持てる仕事に就き、その会社で専門性やスキルを高め、そのあとに高待遇の海外求人をピンポイントで狙い撃ちすることがおすすめだ。
あるいは次の方法にチャレンジできる経歴がある方であれば、次の方法がおすすめだ。
4. グローバル企業に就職・転職⇨海外駐在
海外勤務案件の他に、将来的に海外駐在の可能性が高い日系グローバル企業に就職、転職することは、特にこれまで一定の経歴を持つ方にはおすすめできる方法だ。冒頭の通り、僕自身が経験した方法だ。
高い給料、豪華なマンション、ドライバー付きの車や家のお手伝いまで、そういう高待遇な生活を海外で送りたいのであれば、グローバル企業に就職・転職し、日本での勤務を経てから海外駐在員を目指そう。
三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商などの大手総合商社は20代の若いうちから海外勤務のチャンスがあり、トヨタ自動車など大手メーカーも20代から海外駐在に行っている人は多い。
しかも、グローバル企業の社員や海外駐在員は文系出身の方も多いため、文系から海外で働ける仕事を探す方にもチャンスが大きい方法だ。
✔︎ 将来的に海外駐在の可能性が高い日系グローバル企業に就職・転職する(一番高待遇のため、目指せるならこの道がおすすめ)
さて、理想通りにいけば素晴らしい道なのだが、一つ問題がある。それは、このルートはなかなか険しい道であるということだ。
まず問題なのが門扉の狭さである。海外駐在を望む人は、まずは海外に多数の拠点を持つグローバル企業に就職・転職を成功させなければいけない。そういうグローバル企業には大量の応募者が殺到する。
しかも応募者は優秀な人材だ。その中でまずは採用を勝ち取らなければならない。
採用を勝ち取ったら、今度は社内の競争に打ち勝つ必要がある。大抵の会社の海外駐在員は社内の優秀人材が抜擢されるケースが多い。
このように、社外の競争と社内の競争を勝ち抜き、ようやく海外勤務のチャンスを得ることができるのが海外駐在員である。
とはいえ、企業の海外人材比率は増してきているので、今後海外駐在員になるハードルは今より下がっていくだろう。時代の変遷を見ても、グローバル企業に転職するなら今がチャンスだ。
現年収で500万円以上ある方や、すでに大手企業・メガベンチャー等に在籍している方であれば、グローバル大手企業に入社し、海外駐在を実現できる可能性は十分ある。これまでの経歴を生かして高待遇の海外生活を送りたいという夢があるなら、グローバル企業に就職・転職し、そこから海外駐在を目指そう。
✔︎ 今後はグローバル化がさらに加速するので、海外駐在員を目指すなら、いまは良いチャンス
海外駐在を目指す方法は「海外駐在員になるには?海外赴任したい方向けに、元駐在員の僕が解説【海外勤務できる企業も紹介】」で詳しくまとめている。海外駐在員のキャリアに少しでも興味がある場合は、こちらの記事をチェックしてみよう。
5. 海外にいながら日本の仕事をする
海外で働くということを少し別の見方で考えると、海外にいながら「日本の仕事」をすることもできる。
現代はインターネットが普及しており、インターネットを活用すれば世界中どこにいても仕事ができる。海外で雇用を結ばずとも、海外で日本人が収入を得ることは可能なのだ。
しかも、日本円は価値が高いので、日本の月10万円が、海外で3倍以上の価値になることはよくあることだ。
月10万円だけでも日本の仕事で稼ぐことができれば、それだけで住める地域もあるのだ。フィリピンなどの東南アジアがこれにあたる。
このような「場所にしばられず、世界中どこでもできる仕事」は意外とたくさんあるので、誰でも比較的取り組みやすい仕事・職種をピックアップして紹介していく。
ブログ運営をする
誰でも手軽に始めて、それでいて稼げるのがブログ運営だ。このブログも会社員の傍らで運営しているが、少ない作業時間でも月3〜4万円は稼ぐことができている。本腰を入れれば月10万円はいたって現実的なところだろう。
世の中のブロガーの中には月30万、50万、100万と稼いでいる人も多数いるので、初期投資が少ないことも考慮すると、リスクなく稼げる仕事であるのは間違いない。
僕自身海外に住んでいたときは、海外に住んでいるからこそ提供できる情報を日々発信して収入を得ている人も多数いたし、僕自身も別のブログで収入を得ていた。非日常な体験を多く経験する海外とブログというのは、実はかなり相性が良いのだ。
クラウドソーシングの仕事をする
インターネットを使えば、インターネット上で仕事を受注できる。いわゆる「クラウドソーシング」だ。
クラウドソーシングは仕事を頼みたい企業と、仕事をしたい人をつなげるサービスであり、代表的なクラウドソーシングのサービスにはクラウドワークスなどがある。
「Web制作」「デザイン制作」「ライティング」「翻訳」など、特定のスキルを生かして仕事を受注することができる。実際に僕の周囲にも、海外に住みながらスキルを生かして収入を得ている人がいた。便利な時代になったものだ。
素晴らしいスキルを持っているのに、事情があって仕事がない土地にいかなければいけない人は多く存在する。そういう人たちの機会損失をなくす素晴らしいサービスは、海外で働きたい人にとっても有用なサービスなのだ。
転売(貿易)をする
海外で生活をしている利点を生かすなら「転売」はおすすめだ。
ビジネスの面白い点の一つは「ある場所で試してダメだった方法が、場所を変えると簡単に成功してしまう点」だ。その最たる例が転売で、大きく言うなら「貿易」だ。
転売(貿易)のビジネスモデルは「価格差」だ。価格差を利用し、その差額を利益として得るモデルだ。この価格差に着目すると、自身の身の回りの至るところにビジネスのタネが落ちていることがわかる。
一例を挙げると、日本では全く人気のないものが海外で大人気だったり、逆に海外では全然人気のないものが実は日本で超人気のことがある。
たとえば日本の人気女優がこぞって履いているスニーカーがあったとする。すると、ミーハーな若者の女性たちは「◯◯◯さんが履いているから自分も買いたい!」と同じ商品を買う。それがムーブメントになり、価格がつり上がる。最終的には日本に在庫がなくなり、買えない人が続出する。
一方、日本の有名人など知らない海外の人にとっては、そのスニーカーはただのスニーカーだ。珍しいものでも何でもなく、価格も高騰はしていない。こういう商品を日本に転売するだけで、数十万程度の利益なら個人でも即座に得られるのだ。
ちなみに上記の事例は僕が過去に実際にやったことのある事例である。これは一例だが、伝えたいことは「たとえ同じ物でも、物の値段は場所によって異なる」ということだ。海外に住むということは、日本に住んでいる人より「地の利」を持っているということ。そこに「物を見る目」や「調達経路」を築くことができれば、転売や貿易というのは比較的簡単なものなのだ。
海外在住者で初めて転売をするならBUYMAを使うのが良い。BUYMAは海外に住んでいる人をターゲットにしているサービスだ。日本で買うと高いブランド商品を、海外に住んでいる地の利を活かしてBUYMA上に出品し、日本にいる購買者が購入するという仕組みだ。登録〜出品までのハードルが低いため、手軽に始めることができておすすめである。
本格的にやるならイーベイ(eBay)は必須だ。eBayは世界中に1.6億人の利用者を有する世界最大のインターネットオークションであり、潜在顧客数が圧倒的に多い。eBayを使ってニッチで需要のある商品を出品すれば、個人でも十分な収入を得ることが可能だ。
投資(不動産投資、株式投資、債券投資)をする
海外で働くとは少し離れるが、海外に住みながらも安定的に収入を得る方法が「不動産投資」「株式投資」「債券投資」だ。投資関連は場所にしばられずにできる仕事の代表例である。
特に不動産であれば、日本で投資物件を用意し、管理してくれる業者を見つけておけば、自身が何もせずとも収入を得ることは可能である。軌道に乗れば収入も安定的だ。
ただし、不動産投資で成功するためには正しい知識や情報を得ることは必要不可欠であり、闇雲に物件を買うことはやめた方が良い。すでに成功している人に話を聞き、一つ一つ準備をしていくのが良い。もちろん一定の自己資金も必要となる。
もしくは使っていない空き家があればAirbnbを利用して家賃収入を得るのも一つの手だ。
株式投資に関しては、資産が数千万、数億円規模にならなければあまりやるメリットはないと個人的には考える。債券投資は株式よりも安定性は増すものの、収益性は落ちるため、よりたくさんの資金が必要となる。
たった数百万円の資金で投資をしても、海外で生活し続けるお金を作るためには、毎年数十パーセントの利益を上げ続けなければいけない。これは極めて不可能に近く、損する可能性の方が高い。世界最高の投資家と言われているウォーレン・バフェットですら、年間平均リターンは22.6%だ。毎年この成績を超えるのは現実的ではない。
もし少ない投資資金でやるなら、誰も目をつけていない優良銘柄を、誰も買わない時期に書い、持ち続けておくことだ。もしくは着実に複利運用をしていくことだ。
20代や30代、学生や新卒の方が海外で働きたい場合のポイント
ここまで海外で働きたい人ができる仕事を紹介してきた。ここでは20代(新卒含む)、30代や40代、学生の方が、それぞれ海外で働くポイントを解説する。
20代で海外で働きたい場合(新卒含む)
20代であれば、まとまったお金が必要な不動産投資以外は、今回紹介したいずれの方法でもチャレンジできる。
20代という若さがあるなら、海外で働くことももちろん可能だ。グローバル企業に就職・転職し、海外駐在を目指すキャリアが、待遇面やキャリア形成も考えると、特におすすめできるルートだ。
一方、海外で雇用されず、自分の力一つで稼いで自由に生きたいなら「インターネット・アカデミー」でスキルを習得することも現実的な選択肢だ。
WebマーケターやWebデザイナーは海外でも市場価値が高く、高年収を実現しやすい。一度スキルさえ身につけておけば、日本企業での再就職も容易になる。
もちろん、大学を卒業し、新卒から海外に行きたい場合も、Webマーケティングやデザインスキルがあると有利になりやすいので習得しておくことがおすすめだ。
若さは最大の武器。もし仮にうまくいかなくても、20代だったらいくらでもやり直せる。海外で頑張って仕事をした経験は、いずれ日本に帰ってきても必ず活かせるので、20代は恐れず一歩を踏み出してみてほしい。
30代や40代で海外で働きたい場合
30代や40代だと家族を持っている方も多いと思う。20代と比べるとリスクは取りづらい年代だ。
だからこそ、いま取れる選択肢をしっかりと把握した上で、一歩を踏み出すと良い。海外経験がなくても、英語が得意だったり、あるいは何かしらの業界・職種経験が海外求人の要件とマッチすれば、30代や40代からでも、海外で働くことは意外と実現できるからだ。
学生が将来海外で働きたい場合(大学生や高校生など)
学生の方で「将来は海外で働きたい」と漠然と思っている場合、一番おすすめなのは「海外の大学」に入学してしまうことだ。
当然ながら、日本の大学で学ぶよりも海外の大学で学んだ方が、英語の習得や、現地就職のしやすさなど、海外で働くためのメリットが大きい。
- 海外の大学を目指すことがおすすめ(英語も身につき、現地で就職もしやすくなる)
海外の大学だと「アメリカの大学」は特に人気だが、「お金が高くて海外大学なんていけない」と思うかもしれない。ただ最近は、フィリピン、マレーシア、タイなど、全部英語で授業を行う大学もあり、授業料も現地価格になるのでかなり安いことが特徴だ。
「海外の大学なんて現実的じゃないよ」という方は、日本の大学に入り、英語を学んだり、留学を経験しておくと、将来海外で働ける会社に就職しやすくなるだろう。
日本の大学生から海外で働くためには、どういう大学・学部がおすすめ?
日本の大学生から、将来日系企業(商社など)の海外駐在員を目指す場合、大学の学部はどこでも良い。学部での優劣はあまりつかないからだ。
それよりも、海外駐在員になるなら、海外駐在員を輩出している企業が求めるだけの「大学ランク」は必要になるので、できるだけ偏差値の高い大学へ入学しておくとよい。人気企業だと、学歴で足切りがあるからだ。
一方、日系企業の海外駐在員ではなく、海外企業(最たる例でいうとGoogle社など)に直接雇用されて働く場合は、専門スキルを身につけられる学部だと、より海外を目指しやすくなるだろう。
- 海外駐在員になりたい→学部はどこでも良い。それよりも大学ランクの方が重要
- 海外企業に直接雇用されたい→専門スキルが身につく学部がおすすめ
海外で働きたいけど英語が話せない。それでも可能?【英語は基本必須】
海外で働きたい場合、基本的に英語力は必須だ。
「基本的に」というのは、一部”例外”があるからである。例えば、パソコン1台で海外へ渡り、日本の仕事をリモートで行うような仕事の場合、英語ができなくても問題ない。
一方、海外の現地企業へ就職をする場合、英語力は必要となる。例えば日本人が全くいない会社だと、入社にあたり英語面接も存在する。現地の生活は英語ができなくてもなんとかなるが、企業に入る段階で英語力が求められるのだ。
日系企業の海外法人の現地採用で、スタッフの日本人駐在員が多い環境であっても、少なからず現地スタッフと英語で会話する場面は出てくる。そのため、やはり一定の英語力は身につけておくに越したことはない。
ということで、海外で働くためには英語は必須なので、勉強はいまからすぐにでも始めると良い。
じゃあ何から始めることがおすすめかというと、リクルートが出している英語学習アプリ「スタディサプリENGLISH」であれば、1回3分から英会話を学ぶことができるのでおすすめだ。
スタディサプリは僕もかれこれ3年以上使っているが、海外で働く上で必要な英語の基礎から実践まで、幅広く学べるようになっていて満足度が高い。
アプリで楽しく手軽に、海外で働く英語力の土台が身につく
月額2,178円なので、無駄な飲み会を1回欠席して、浮いたお金でまずは2ヶ月使ってみると良い。効果実感までの平均月数が約2.8ヶ月と短期間になっているので、最初の学習ツールとして最適だ。
また、最初の7日間*は無料でおためし利用できるので、気軽に試してみると良い。解約も7日経つ前にWeb上から簡単にできるので安心して無料でおためしできる。
*無料期間は申込日を1日目として起算
「海外で働きたい」は必ず実現できる
海外で働き、生活することは面白い。日本では味わえない日常があり、海外生活がぴったりハマる人であれば日本には帰ってこれなくなるだろう。
海外で働く自分をイメージし、逆算思考で今やるべきこと、準備すべきことをやっていこう。述べてきたように最終的には「何かの専門スキル」を身につけることが大切だが、海外で生活することを目指すなら最低限「英語」は勉強して身につけておこう。
最後に、海外で働くことは、行動すれば必ず実現できる。今回の記事が「海外で働きたい」という想いを実現させるヒントになれば書き手冥利につきる。
海外で働く方法は大きく以下5つ。
上記5つどれも海外で仕事はできるが、それぞれ方法が全く違うため、記事で違いを詳しく紹介する。
自分にあった方法を知り、行動すれば、海外で働くことは実現できる。