海外駐在はエリート?選ばれる人は勝ち組?【元海外赴任者が解説】

海外駐在はエリート?選ばれる人は?勝ち組?【元海外赴任者が解説】

 

世界中を舞台に仕事をする「海外駐在員」は、エリート・出世コース・勝ち組というイメージが強いです。

 

とはいえ、海外駐在に選ばれる人は本当にエリートなのか、約束された出世コースなのか、実は単なる左遷じゃないかなど、リアルな実態はあまり知られていません。

 

そこでこの記事では、20代で海外赴任を経験し、大手グローバル企業の転職支援もしてきた筆者が、果たして海外駐在はエリートなのか?を徹底解説します。

 

 

結論からお伝えすると、グローバル企業における海外駐在員は、エリート・出世コースの王道ルートではあるものの、必ずしも出世につながるわけではありません。

 

これから海外赴任を目指す人や、海外駐在に選ばれた友人・知人がいる人など、どんな方でも理解できる内容になっています。ぜひ最後までチェックしてみてください。

 

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海外駐在・海外赴任はエリート?勝ち組?

海外駐在・海外赴任はエリート?勝ち組?

 

海外駐在はエリート?勝ち組?
  1. 海外駐在・海外赴任はエリート・出世の王道コースである
  2. とはいえ、必ずしも出世できるわけではない

 

1. 海外駐在・海外赴任はエリート・出世の王道コースである

結論、海外駐在はエリート・出世の王道コースであること間違いありません。

 

特に、海外売上比率の高いグローバル企業では、将来的な経営層・幹部層には、グローバル事業に精通した人材を抜擢するケースが多いです。

 

そのため、将来を期待されているような社員は、20代や30代という若手〜中堅の期間に、海外赴任に選ばれるケースが多いです。

 

逆に、海外売上比率が高くなく、今後も海外事業に力を入れる予定がない会社の場合、海外赴任が必ずしも出世コースというわけではなくなります。

 

「海外赴任=エリート・出世コース」となるのは、海外赴任の経験が中長期的に会社の業績を伸ばすことに直結する会社です。このポイントを押さえておくと、海外赴任が出世コースなのか、あるいはそうでないのか、判断がつきやすいです。

 

会社にとって海外が重要なマーケットであればあるほど、海外駐在員は出世コースに乗りやすいです。

 

赴任する国によって出世のしやすさは変わる?

結論、赴任する国によって「出世しやすい」or「出世しにくい」は一定あります。

 

基本的に、会社にとって重要な国で、できるだけ上の役職で赴任し、結果を残せるほど、出世しやすい傾向があります。

 

各企業によって、アメリカ・シンガポール、タイ・ベトナム、インド・中国など、力を入れている国は異なりますが、例えば「アメリカ」が事業の主戦場の会社であれば、アメリカに駐在し、成果を上げるほど、出世につながりやすい傾向があります。

 

ただ、この点は企業によって考え方が様々なので、花形の国へ海外赴任できたとしても、出世につながるとは言えません。

 

2. とはいえ、必ずしも出世できるわけではない

海外赴任は出世コースではあるものの、海外赴任に選ばれたからといって、必ずしも出世できるわけではありません。

 

例えば私がいた会社は東証プライム上場の大手企業でしたが、海外駐在員として10年単位で現地に赴任していた人が、日本に戻ってきたら万年課長止まり。というケースも普通にありました。

 

その理由がよくわからず、当時私の管理職に聞いたことがありますが「部長以上に昇進するためには、日本法人で実績を残す必要がある。海外駐在期間があまりに長すぎると、日本で実績を作るための時間が作れず、万年課長止まりになることがある」という理由でした。

 

これは一例であり、理由は企業によって様々ですが、海外駐在に選ばれたからといって、必ずしも部長・役員と、出世の階段を登れるわけではありません。「海外赴任に選ばれる=出世が約束されたエリート社員ではない」ということです。

 

海外駐在・海外赴任に選ばれる人とは?

海外駐在・海外赴任に選ばれる人とは?

 

海外駐在に選ばれやすい人
  1. 会社から期待を受けている社員
  2. 海外赴任先の上層部から直接指名が入った社員
  3. 海外駐在に選ばれやすい職種の社員

 

これまでたくさんのグローバル企業の海外駐在事情を見てきた結論、海外駐在に選ばれやすい人は上記3つのパターンがあります。

 

会社から期待を受けている社員

海外駐在に選ばれる人で特に多いのは「会社から期待を受けている社員」です。

 

例えば、新卒の頃から仕事で一定の成果を上げていて、人事評価も高い社員は、海外駐在に選ばれるケースが多いです。

 

実際に私がいた会社でも、若手のうちから成果を上げていたは、そうでない人と比べると、海外赴任に選ばれる割合が多かったです。

 

そもそも海外駐在員を一人送り出すために、会社は多額のお金を投資しています。「海外駐在に選ばれる=左遷」というケースは、ほとんどの会社で考えにくいですよね。

 

結果を出しておらず期待されていない社員より、結果を出していて期待されている社員の方が海外赴任に選ばれやすいことは、全体傾向を見ても間違いありません。

 

海外赴任先の上層部から直接指名が入った社員

海外赴任先の上層部(例:現地法人の日本人社長や、北米/欧州/アジア等のマーケットのエリア長)などから、「この社員をこっちに異動させてほしい」と直接指名があるケースも、複数の大手グローバル企業であることがわかっています。

 

例えば私が在籍していた会社でも、もともと日本で上司・部下として仕事をしていた間柄の人が、上司が海外赴任先の現地法人で社長になった後に、元部下で信頼している部下を指名していたケースがありました。

 

海外法人から指名があるケースは、全ての会社にあるかは定かではありません。ですが、私がいた会社含め、別の会社でもそのような事例があると聞いたことがあるため、このパターンも一定は存在するでしょう。

 

このパターンの場合、必ずしも会社から高い評価を受けていなくても、一人の権限ある上司の高い信頼を得ていれば、海外赴任できるケースがあります。

 

海外駐在に選ばれやすい職種の社員

実は「海外駐在に選ばれやすい職種」というものがあり、該当する職種の人であれば、それだけで海外駐在に選ばれやすいです。

 

海外駐在に選ばれやすい代表的な職種は「経理」です。経理は若いうちから海外赴任するケースが多く、海外赴任を目指すなら穴場と言える職種です。

 

「営業」も海外赴任をする人の総数が多いです。とはいえ、営業は社員の全体数も多いですから、企業によっては競争率が激しい場合もあります。

 

このように、海外駐在に選ばれる人は一定の傾向があります。一つ言えることは、結果を出していなかったり、周囲から信頼を得ていない人よりは、結果を出していたり、周囲から信頼を得ている人の方が、海外駐在には選ばれやすいということです。

 

海外駐在になりやすい職種の紹介など、海外駐在員になる方法は「海外駐在員になるには?海外赴任したい方向けに元駐在員の僕が解説【海外勤務できる企業も紹介】」で詳しくまとめています。こちらもぜひチェックしてみてください。

 

海外駐在・海外赴任から出世できないパターンとは?

海外駐在・海外赴任から出世できないパターンとは?

 

海外駐在は出世の王道コースではありますが、必ずしも出世できるわけではありません。私自身が見てきた、海外赴任をしても出世できないパターンは大きく2つあります。

 

海外駐在から出世できないパターン
  1. 現地で結果を残せなかった
  2. 海外赴任の期間が長すぎて、日本でも結果を残す機会を失った

 

1. 現地で結果を残せなかった

一番多いのは、現地の結果を残せなかったパターンです。

 

海外駐在員は、現地法人の役員やマネジメント層として赴任するケースが多いです。その場合、当然ながら現地法人/チームの利益や財務責任を負いますから、常に結果を出し、会社に実績をアピールする必要があります。

 

とはいえ、赴任中に大手クライアントを失ってしまったり、業績を拡大できなかったり、大きなトラブル等を起こしてしまうと、会社によっては出世コースが閉ざされてしまうことがあります。

 

あるいは、海外赴任した国のマーケット自体があまり良くなく、結果として業績拡大できないケースもよくあります。例えば、所属会社の海外事業の主戦場がアジアにもかかわらず、実際に赴任した先が南米などですね。

 

この場合も、当然ながら出世ルートは閉ざされやすいです。どのエリア・国に赴任するかも、出世のしやすさを分けるものなのです。当然ながら会社が一番力を入れているエリア・国・都市で、できるだけ上の役職で結果を残した方が、出世のしやすさは大きくなります。

 

2. 海外赴任の期間が長すぎて、日本でも結果を残す機会を失った

海外赴任の期間が長すぎて、日本でも結果を残す機会を失うケースも、出世できないパターンで時々聞きます。

 

会社によっては、グローバルで結果を残す経験と、日本で結果を残す経験、このどちらも重視しているケースがあります。

 

例えば、35歳の時に海外に赴任し、駐在期間が10年、15年と長く続いてしまい、かつ海外で目ぼしい結果を残せていない場合、日本に帰ってきたときはすでに45〜50歳と年齢を重ねており、出世コースが塞がれるケースがあります。

 

もちろん他にも出世できないケースはあります。あまりよくないですが、現地で不祥事を起こしたなどですね。この場合は日本へ強制帰国されるケースが多く、日本に帰って出世はほぼ不可能でしょう。

 

海外駐在・海外赴任で出世できなくても良い理由

海外駐在・海外赴任で出世できなくても良い理由

 

海外駐在はエリート・出世の王道コースであり、結果や信頼を残している人の方が選ばれやすく、その後も出世しやすいです。

 

その一方、海外赴任に選ばれたにもかかわらず、出世できない人もたくさんいます。

 

とはいえ、海外駐在に行った後に出世できなくても、特に問題はありません。なぜなら、海外駐在に選ばれる時点で、豊かな人生は十分実現していけるからです。

 

海外駐在は経験自体が非常に貴重なものです。海外で暮らし、仕事をする経験というのは、人生の中で普通に経験できるものではありません。もちろん大変なこともありますが、海外駐在に行った人の多くは、海外赴任に行けてよかったと感じています。

 

加えて、海外赴任者は待遇・給料が非常に良いです。ざっくりですが、海外駐在員の給料・年収は、日本にいる時よりもかなり増えます。日本の給料と比べて「額面で約1.5倍」「手取りで約1.7〜約1.8倍」が相場です。

 

物価が安い、あまり高くない国であれば、5年間赴任するだけで数千万円単位でお金が貯まります。日本の給料・税制だと、こんなにお金は残せませんから、経済面でも海外赴任は豊かになりやすいですね。

 

海外駐在の年収面は、「海外駐在員の給料・年収事情について元駐在員が暴露する」で詳しくまとめています。海外駐在の年収事情に興味があれば、こちらもぜひチェックしてみてください。

 

まとめ

海外駐在はエリート?選ばれる人は?勝ち組?【元海外赴任者が解説】

 

海外駐在はエリート?勝ち組?
  1. 海外駐在・海外赴任はエリート・出世の王道コースである
  2. とはいえ、必ずしも出世できるわけではない
海外駐在に選ばれやすい人
  1. 会社から期待を受けている社員
  2. 海外赴任先の上層部から直接指名が入った社員
  3. 海外駐在に選ばれやすい職種の社員
海外駐在から出世できないパターン
  1. 現地で結果を残せなかった
  2. 海外赴任の期間が長すぎて、日本でも結果を残す機会を失った

 

「海外赴任=約束されたエリートコース」ではありません。ですが、結果を出していなかったり、周囲から信頼を得ていない人よりは、結果を出していたり、周囲から信頼を得ている人の方が、海外駐在には選ばれやすいことは紛れもない事実です。

 

海外駐在はその経験だけでも人生を彩る貴重なものになりますし、海外赴任中は高給で経済面の不安を感じることなく、豊かな生活を現地で送ることもできます。

 

もしあなたが海外赴任・海外駐在にチャレンジしたいと思うなら、年齢にもよりますが、行動すれば実現できる可能性があります。

 

海外駐在員になるための詳しい方法・ステップは「海外駐在員になるには?海外赴任したい方向けに元駐在員の僕が解説【海外勤務できる企業も紹介】」の記事でまとめています。私は海外赴任に興味があるという方は、こちらの記事も続けてぜひチェックしてみてください。

 

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