「一生続けられる仕事」を探す人へ。一つの仕事を生涯続けることの大変さを、時代背景を考慮して語る

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今回は「今の仕事を一生続けるか否か」、悩んでいる方に向けて書いていく。

 

新卒で就職し、その会社に一生勤め続ける終身雇用は既に崩壊している。

 

特に今の20代・30代は残された時間が長いため、先の見えない不安定な時代を生きるためにたくさんの決断をしなければならない。

 

  1. 一つの仕事をやり続けるか
  2. それとも、新しい仕事にチャレンジするか

 

社会人経験がある人であれば、誰しも一度は考えたことがあるはずだ。

 

今回はこの問いに対し、時代背景を踏まえて僕なりの持論と結論を述べていきたい。

 

 

一生続けられる仕事は今後少なくなる2つの理由

大前提としていっておきたいことは、「一生続けられる仕事は今後間違いなく少なくなる」ということだ。

 

これからの世の中は今あなたが想像している以上に不透明だ。めまぐるしく変化が起こる現代においては、10年先にどんな仕事が存在しているさえわからない。

 

過去の歴史の変遷を見ても、特に直近10年間の変化は凄まじいものだった。

 

iPhoneが誕生したのは2007年のことだった。ちょうど今から10年前である。今周りを見渡して欲しい。外にいるのであれば、周りの人の大部分がiPhoneやスマホをいじっているはずだ。iPhoneが誕生してから僕たちの生活は一気に変わった。それに伴い、世の中の仕事も大きく変化した。

 

そして、これから先の10年間の変化は、今まで以上に速く、僕たちの仕事に対して大きく影響してくる。

 

何より危惧すべき点は、その変化の多くが「僕たち人間の仕事を奪う力を持つこと」だ。

 

変化のもっとも大きな2つの要因を述べていく。

 

理由1: 人工知能やテクノロジーの台頭

これから台頭し、僕たちの仕事を奪っていくものの代表例は「人工知能」や「テクノロジー」だ。

 

人工知能は、人間の脳より遥かに高い性能を持つ。それゆえに、人口知能は今まで人間がやっていた多くの仕事を何百倍もの生産性で処理してしまう。それは世の中全体を見ればプラスのことだが、その仕事をやっていた一個人単位で見れば大きなマイナスとなる。

 

処理速度や精度といった観点で、人間が人工知能に勝つ可能性はない。間違いなく負ける。つまり、人工知能が自分のやっている仕事を処理することができるようになった時点で、あなたの仕事はなくなってしまうのだ。それはあなたの気持ちの問題に関わらずだ。たとえあなたが一生その仕事を続けたくても、続けることはできない。

 

次にテクノロジーの発達は、その業界構造自体をも潰してしまう可能性がある。

 

例えば現代において買い物といえば、AmazonなどのECサイトで行うことが主流となった。それに伴い、リアルな場で戦っている書店業界や百貨店業界は今かなり苦しんでいる。

 

印刷業界もそうだ。印刷業界といえば、1900年代後半は右肩上がりの業界だったが、2000年代に入ると、その業界規模は一時の半分近くまで縮小してしまった。これは「Web」が「紙」の業界構造を塗り替えてしまったからに他ならない。

 

この2点はテクノロジーが既存の業界自体を壊している事例だ。このような業界構造自体を脅かす変化が、この先10年では次々と起こるだろう。

 

このように、人工知能やテクノロジーは世の中を便利にする一方で、僕たちの仕事を奪っていくのである。

 

理由2: 外国人労働者の参入

僕たちの仕事を奪っていくのは人工知能やテクノロジーといったものだけではない。

 

これからは「海外の外国人労働者」たちも、僕たちの仕事を奪っていく。

 

今、世界の国境はどんどん敷居が低くなっている。多くの人々が国を渡るようになった。その流れが、日本にも着実に来ている。既に気づいていると思うが、今都内のチェーンレストランの従業員の多くは外国人労働者だ。日本人だけで回っている店もまだ多くあるが、今後はそういう店の数もさらに加速度を上げて減っていくだろう。

 

そして、これはチェーンのレストランだけの話ではない。特に専門性が必要とされない販売や接客などの仕事において、この動きは今後さらに加速していく。それに伴い、専門的スキルのない人は、この先どんどん雇用機会を奪われていくことになるだろう。

 

さらにいえば、僕は海外で働いていたことがあるから体感しているが、海外には日本人よりずっと優秀な知的労働者も数多くいる。今後はいわゆるホワイトカラーの仕事においても、海外の優秀な人材が多く流れ込んでくるだろう。

 

M&Aが活発な現代においては、あなたの会社の上司がいきなり外国人になる可能性も十分にある。海外の企業は平気で人をリストラするので、入ってきた外国人上司の考え次第では、使えないと判断された人は簡単にリストラされるだろう。

 

「リストラなんてされるはずない」と思うかもしれないが、僕は海外で働いていたときに目の前で何人もバサバサとリストラされるところを見てきた。彼らにとってリストラとは、健全な会社経営をする中で必然のオプションの一つなのだ。

 

このように、外国人労働者の参入は、あらゆる意味で日本人にとって脅威となる。

 

これからの働き方は2つある

自分にとって一生続けられる仕事、続けたい仕事が見つかったとしても、その仕事自体が10年後にあるかわからない時代ということはお分かりいただけただろうか。

 

ではこの時代背景を踏まえて、僕たちはどうやって自分の働き方やキャリアを考えていけばいいだろうか?

 

「これからの働き方」は2つある。それぞれ述べていく。

 

1. 一つの仕事を極める

まず第一は「10年先にも20年先にもなくならず、かつテクノロジーにも外国人労働者代替されないほどに、一つの仕事を徹底的に極めること」だ。

 

時代の流れを読み、遠い未来でもなくなっていないと思われる仕事で、人工知能や外国人労働者にも奪われないほどに仕事を極めるのだ。

 

世の中的に需要が高まる領域において、誰よりも高い専門性とスキルを身につけること。これができれば、たとえテクノロジーや外国人労働者が押し寄せてきても、あなたの仕事は奪われないばかりか、あらゆる場所で必要とされる人材であり続けるだろう。

 

ただし、この働き方はかなり難易度が高い。需要を見極める能力と、そこで誰よりも専門性を磨きあげる努力と時間が必要だからだ。そこで、個人的には次の働き方を目指すことをおすすめしたい。

 

2. 複数の仕事を行い、組み合わせで勝負する

一つの仕事を徹底的に極めることができない人が目指すべきは、「複数の仕事を経験し、そこで培ったことの組み合わせで勝負する」ことだ。

 

組み合わせの原理は複雑ではない。今までやってきた2つ以上のことを組み合わせれば良いのだ。組み合わせの特筆すべき点は、組み合わせることで「オリジナリティ」が形成される点にある。

 

例えば、ITを学んだ人が食について学べば、「IT x 食」でオリジナリティを発揮することができる。海外で事業経験がある人が人事を学べば、「グローバル x 人事」という分野でオリジナリティを発揮することができる。

 

単なるITや食、グローバルや人事というスキルではなく、それらを組み合わせて「掛け算」として発揮することが、複数の仕事を経験して得られるメリットだ。

 

いろんな仕事を経験して素数をたくさん作ることで、いろいろなパターンの組み合わせが形成され、その分オリジナリティを発揮できる分野ができてくる。すると必然的に活躍の機会も多くなるし、その中から1つや2つは大きく成功することも出てくるようになる。

 

リスクの観点でも複数のことをやっているとメリットが大きい。万が一テクノロジーに仕事を一つ奪われたとしても、複数の柱のうち一つが潰れても他の柱がまだあるので、致命傷を追うことはない。他の柱からの収益で生活し、また別の組み合わせ、オリジナリティを発掘していけば良いのだ。

 

このように、複数の仕事を経験し、そこから得られることを組み合わせることで、活躍の機会は増え、致命傷を追うリスクは減るのだ。これが、僕が「複数の仕事を行い、その組み合わせで勝負する」ことを推す理由だ。

 

中途半端に一つの仕事を続けることが一番良くない

「私は複数のスキルを習得する自信はない」「一つの仕事をやっていた方がうまくいきそう」と思う方もいるかもしれない。

 

「一つの仕事を極める」ことは素晴らしいことだが、注意して欲しいことは「中途半端に一つの仕事を続けることが一番良くない」ということだ。

 

大した専門性も身に付かず、かと言って他にできることもないという状態が一番危険だ。なぜなら、大した専門性がなければテクノロジーや外国人労働者に簡単に代替されるし、いざ代替されてしまったときに他に就ける仕事がないからだ。

 

  • 今の仕事が10年後、20年後先にあるかわからない
  • 今の仕事で確かな専門性を身につける自信や気力がない

 

こう感じる方は、将来性のある別の仕事の経験を取りにいく時期だ。

 

10年後にあるかわからない仕事で一生懸命スキルを高めても意味はない。また、自分自身が情熱を感じられない仕事で一流になどなれない。それなら別の仕事を経験し、複数のスキルを得て組み合わせで勝負した方が勝算は高い。

 

20代や30代のうちに転職を経験しよう

いろいろ述べてきたが、会社が個人の面倒を一生見てくれる時代は終わった。一人一人が自分の人生に責任を持ち、働き方をデザインしていく時代だ。

 

もしあなたが今の仕事を一生続ける気持ちがないなら、転職を通じてスキルや経験を取りにいこう。

 

30歳を超えてからの初めての転職は大変なので、20代で一度は転職を経験しておくことをおすすめする。

 

僕も20代で転職を決意し、希望通りの生活を実現することができた。特に「大手企業から20代で転職した僕が「大企業からの転職」の全てを実体験からまとめた」の記事は、一生勤めるつもりだった大手企業を20代でやめたときの話を書いているので、20代で大手企業にいる人には参考になるはずだ。

 

▼20代向けおすすめ記事はこちら

 

また、すでに30代になっている方は遅れているので急いだ方が良い。20代と比べると選択肢が圧倒的に少なくなっているからだ。

 

以下の記事で、同業界・同職種内での「キャリアアップ転職」と、異業界・異職種への「キャリアチェンジ転職」の実態を書いているので参考にしてみてほしい。

 

▼30代向けおすすめ記事はこちら

 

なお、20代・30代であっても、転職を考える際は「転職エージェント」「転職サイト」を利用することになる。

 

僕はこれまで転職エージェントと面談を50回以上してきたが、はじめての転職活動には「ビズリーチ」と「UZUZ」に登録することをおすすめする。

 

ビズリーチはハイクラス求人サイトなので、今までの経験を活かして年収アップ・キャリアアップ転職が叶いやすい。

 

一方、UZUZは20代に強い代表的な転職サービスだ。20代・第二新卒の支援に長けており、経歴の浅いフリーターや既卒にも親身になってくれる。

 

ビズリーチとUZUZ、どちらもあなたのキャリアについて親身になって相談に乗ってくれるキャリアのプロ達がいる。転職サイト・エージェントは無料で使えて、かつネットには載っていないような有益な情報(企業の生の情報や、自分の市場価値)が多数手に入るので、転職の有無にかかわらず、使わないのは機会損でしかない。

 

あらゆる側面において、人は「行動しないという決断」は得意だ。

 

だが、めまぐるしいスピードで変化していく現代において、行動しないという決断は、現状維持どころか衰退である。

 

行動の先にこそ、明るい未来は待っているので、いまの現状に不安を感じるなら、まずは行動を起こしてみることをおすすめしたい。

 

 

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新卒で大手グローバル企業→20代で海外赴任→現在は本業で転職支援、副業で会社経営。『Travewriter』は、IT・Web・グローバルを中心としたスキル習得やキャリア・転職情報について、実際に経験した体験談をベースに発信している学習・キャリアの情報メディアです。