
かつての日本は転職自体が一般的ではなく、「35歳転職限界説」などもあり、30代から転職することは普通ではない道でした。ですがいまは、30代のみならず、40代でも転職をする時代になっており、多くの30代、40代が、自分の希望を叶えるための転職を実現しています。
僕は転職支援の仕事をしていますが、やはり最近増えていると実感するのが「30代のキャリアアップ転職」です。「いまの仕事でキャリアが見えなくて・・」「30代からでも年収を上げられるかな?」といった相談をよく受けています。
結論から言うと、30代でもキャリアアップの転職ができます。そこでこの記事では、30代からのキャリアアップを実現する方法について、僕自身の転職支援経験も踏まえて解説していきます。
今日からすぐに行動できるまで具体的なSTEPに落とし込んで解説するので、キャリアアップしたいならぜひご一読ください。5分ほどで読めるボリュームです。
目次
30代の転職市場について

まずは30代の転職市場について、ざっくりと全体感を解説していきます。
30代の転職者の数は増加傾向
まず、30代の転職者の数は増加傾向です。

上記は転職サービスDODAが調査した転職者の平均年齢データですが、基本的に平均年齢は右肩上がりになっていることがわかるかと思います。直近、2018年1〜6月で言うと、転職者の平均年齢は「31.6歳」です。
転職平均年齢が上がっている要因
平均年齢が上がっている大きな要因は「若手人材が不足していること」です。
ご存知の通り、日本の労働人口は減少しており、特に若い人の数はどんどん減っています。そのため、ポテンシャルのある若手人材を採用したいけど、できない企業も凄く増えていることが現状です。
例えば、僕の知人がリクナビの営業をやっていますが、今年の新卒市場においても、新卒が取れない企業はかなり多くなっているようです。「若い年代ほど人がいない」というのが、いまの就職・転職市場の実態ですね。
そのため、企業としては採用要件を緩和する必要が出ており、その一つが「年齢」です。今までは20代しか採用しなかったけど、いまは30代まで広げて選考をする、そういう会社は本当に増えています。
だからこそ、以前と比較すると、30代からの転職はかなり実現しやすくなっており、キャリアアップ転職においても、当然ながら実現しやすくなっています。
「30代前半」と「30代後半」の転職の違いについて

結論、「マネジメント経験」です。
30代前半の転職について
30代前半は、マネジメント経験がなくても、プレーヤーとして良い転職が実現しやすい年代です。
30代前半というと、特に年功序列の大手企業にいる場合、まだマネジメント経験を積んでいない方が多い年代です。係長や主事、主任といったクラスの方が多いですね。
一般的にマネジメント経験とは、メンバーの育成、人事評価、管理、組織の戦略策定・仮説・検証・遂行などの業務を行った経験を指します。30代前半でここまでの仕事をこなすとなると、実力主義の大手企業でマネジャー(課長)以上、ベンチャーでマネジャーや経営クラスになっていることが多いかと思います。なかなか経験している人の数はいないですよね。
だからこそ、30代前半は、転職先で即戦力として活躍できる能力や知見があれば、キャリアアップ転職は十分実現できます。30代前半は、チャンスがまだまだ多い年代と言えますね。
30代後半の転職について
一方30代後半の転職になると、重視されるのは「マネジメント経験」です。
30代後半くらいになると、マネジメント経験者は増えてきます。とはいえ、マネジメント経験者が不足している企業も非常に多いので、どんな企業においても、マネジメント経験者はかなり重宝されます。そのため、メンバー管理、育成経験があったり、戦略策定やチーム単位での戦略実行経験などがあれば、多いにアピールすることができます。
ここまで読むと「自分にはマネジメント経験がないからやっぱり無理なのかな・・」と思う方もいるかもしれませんが、安心してください。マネジメント経験がなくても、30代後半でキャリアアップ転職は実現できます。
30代後半でマネジメント経験はアピールできる一つの要素ではありますが、他のポイントでアピールし、キャリアアップすることは十分可能です。そのためにはアピールできる「自分の強み」を、客観的に洗い出して整理することが必要です。その方法は、後ほどご紹介します。
30代のキャリアアップ転職で成功する方法 3STEP【必勝法】

30代の転職市場について理解を深めたところで、30代のキャリアアップ転職で成功する必勝法をご紹介します。僕自身、多くの転職支援してきた中で、良い転職を実現していた30代の方がやっていた方法です。
結論、以下の3つをセットでやることが、30代からのキャリアアップを成功させる方法です。
- 30代のキャリアアップ転職に強い「転職サイトで情報収集」する
- 30代のキャリアアップ転職に強い「転職エージェントで転職」する
- 上記1,2を通じて見えた「足りないスキル・経験」を埋めにいく
それぞれ解説をしていきますね!
1. 30代のキャリアアップ転職に強い「転職サイトで情報収集」する
まずはキャリアアップ転職に強い転職サイトで情報収集することです。「どのような求人が、どの程度の要件で存在するか」、それをまず知ることが必要です。
30代からのキャリアアップ転職の場合、総合型サイトを使ってはいけません。なぜなら、そもそもハイクラス求人が少なく、転職できたとしても、年収アップやキャリアアップに繋がらないケースが実態として多いからです。
僕も上記のような万人向けの総合型サイトを使ったことがありますが、正直、あまり良い求人はありませんでした。そこに時間を使うくらいなら、最初に厳選された求人サイトをまず把握し、そこを使うことを徹底することがおすすめですね。実際に僕はそうしました。そうすれば、下手に変な求人を掴む心配もなくなりますし、結果として、良い転職が実現できるかと思います。
キャリアアップ転職に強い転職サイト
キャリアアップ転職に強い転職サイトを挙げておきます。
ビズリーチ:ハイクラス転職サービスです。ビズリーチにはハイクラス・高年収求人が多数掲載されています。
まずはビズリーチで求人を眺めてみることがおすすめです。会員登録すれば閲覧することができます。
ビズリーチは年収800万円以上の求人を多数扱っている数少ないハイクラス転職サイトのため、例えば通勤電車の中で眺めてみるだけでも、どんなスキルがあればその年収を目指せるか知ることができます。
2. 30代のキャリアアップ転職に強い「転職エージェントで転職」する
もう一つ大事なことは、キャリアアップ転職に強い転職エージェント経由で転職することです。コツは、転職サイト経由ではなく、転職エージェント経由で転職することです。
以前【20代転職】転職で使って本当に良かった転職エージェント・転職サイト7社【おすすめ厳選】の記事で書きましたが、転職サイトと転職エージェントの使い訳、以下のやり方がおすすめです。
結論、「転職エージェント」をメインで使うことがおすすめです。なぜなら、転職エージェント経由の方が、選考や転職を有利に進めることが多いからです。
転職エージェント経由で転職活動をする場合、転職エージェントの推薦状付きで企業に応募することができます。推薦状付きで応募すると、本来転職サイト経由では通らない企業でも、選考に通ることがあります。
例えば僕の話をすると、冒頭であげた世界時価総額トップ10に入る大手外資企業に応募しましたが、ここは転職エージェントの推薦もあり、書類選考を通過することができました。また、別の日系大手企業では、書類選考を免除して面接に進むこともできました。
転職サイトは求人の情報収集として利用し、転職エージェント経由で応募する、これがおすすめの方法ですね。
上記の通り、転職エージェント経由の方が、年収アップなどキャリアアップ転職は実現しやすいです。当然、転職サイト経由でも年収アップは実現できますが、より確実に年収アップするなら、転職エージェントメインが良いです。
やり方としては、ビズリーチ等で良い求人があれば、転職エージェント経由で応募できないか、転職エージェントの担当コンサルタントに打診してみることです。
そうすれば、推薦状付きで応募して書類選考に通過しやすくなります。この方法は必勝法なので、ぜひ試してみてください。
キャリアアップ転職に強い転職エージェント
転職サイト同様、30代のキャリアアップ転職に強い転職エージェントをご紹介しておきます。
JACリクルートメント:外資系、大手企業の役職ポジションといったハイクラス転職に強い、イギリス発祥の転職エージェントです。現年収600万円〜1,500万円のハイクラス人材向け
doda X:パーソルキャリアが運営するハイクラス向けの転職サービスです
ビズリーチ:先ほど紹介したハイクラス転職サービスです。ビズリーチに登録すると、優良の中小転職エージェントからもスカウトがもらえるようになります。サイト上で求人検索・応募もでき、転職サイトとしても活用可能
- ロバート・ウォルターズ
:年収1,000万円以上といった、上記より更にエグゼクティブ寄りのイギリス系転職エージェントです。語学が担当な方、駐在経験者などは利用価値が高いです。
上記がおすすめです。いずれも僕自身が実際に使ったことがある転職エージェントです。
僕の利用実績を話すと、JACリクルートメントでは時価総額世界トップ10のIT企業を紹介してもらい内定、いまは
ビズリーチ経由で会った中小エージェントに紹介してもらった、日系大手の会社で勤務しています。
最近はdoda Xとロバート・ウォルターズ
でさらにキャリアアップが狙える求人をリサーチ中です。実際使ってみた印象としては、どこも求人の質が高く、キャリアアップという点ではかなりオススメのサービスです。
転職サイトや転職エージェントというと、登録することが面倒で後回しにしがちですが、20代ならまだしも、30代は後回しにする時間はありません。良いキャリアアップを実現する人は、20代のうちから転職エージェントのコンサルタントとコネクションを築いていまして、彼らには優先的に、コンサルタントから求人の紹介がされます。
キャリアアップを今後一切狙わないなら使う必要はありませんが、もしキャリアアップを少しでも検討するのであれば、今すぐにでも転職エージェントと何かしらの接点を持つべきです。登録は1社5分あれば終わりますから、めんどくさがらずに、登録だけは必ず済ませておきましょう。
3. 上記1,2を通じて見えた「足りないスキル・経験」を埋めにいく
もう一つやることは、上記1,2を通じて見えた「足りないスキルや経験」を埋めにいくことです。転職サイトや転職エージェントを実際に利用すると、
- このスキルや経験が足りないから、この求人はあなたにはまだ難しい
- この経験さえ積めば、このくらいの年収を目指せる
こういう情報が見えてきます。この現実と理想のギャップ(溝)を掴むことが、キャリアアップのためには非常に大切です。ギャップさえ見えれば、あとは愚直にそれを埋める行動を、現職でするだけですからね。
例えば僕は、転職する前から長いこと転職エージェントを使ってきましたが、その理由はこの現実と理想のギャップ(溝)を知るためでした。僕の場合、入りたい企業がありましたが、当時は「戦略の策定・遂行経験」等の能力が足りていないことが転職エージェントを通じてわかったので、それを埋めるために現職で行動しました。その結果、今は入りたかった企業に入ることができました。
転職サイトや転職エージェントは、何も「転職することだけ」に使うものではないということです。自分の市場価値を正しく知り、足りないスキルや経験を把握するために使えるサービスなので、早いうちから活用する習慣をつけることが、キャリアアップするための最大のコツです。
あるいは、転職に有利な資格を取ることも一つのキャリアアップの方法です。転職に有利な資格を取るならフォーサイトといった通信講座も最近はあります。
キャリアアップに役立つスキルや経験はいろいろあります。そういったことも、先ほど紹介した下記の転職エージェントや転職サイトを通じて探ってみることがおすすめです。
JACリクルートメント:外資系、大手企業の役職ポジションといったハイクラス転職に強い、イギリス発祥の転職エージェントです。現年収600万円〜1,500万円のハイクラス人材向け
doda X:パーソルキャリアが運営するハイクラス向けの転職サービスです
ビズリーチ:先ほど紹介したハイクラス転職サービスです。ビズリーチに登録すると、優良の中小転職エージェントからもスカウトがもらえるようになります。サイト上で求人検索・応募もでき、転職サイトとしても活用可能
- ロバート・ウォルターズ
:年収1,000万円以上といった、上記より更にエグゼクティブ寄りのイギリス系転職エージェントです。語学が担当な方、駐在経験者などは利用価値が高いです。
まとめ

最後に、これまでの日本は新卒で入社し、その会社で定年まで働き続けることが美德とされていました。経済自体が右肩上がりでしたから、一つの会社で働いているだけでも、順当に給料や役職も上がっていました。ですからその時代の賢い生き方は、「一つの会社で上を目指すこと」だったと思います。
ですが、もう一つの会社で働き続ける時代は終わりました。終身雇用は崩壊してきていますし、給料も役職も上がっていかない時代です。30代で必死に役職や給料をあげるために頑張っても、40代になったときに会社が業績不振に陥り、給料が大幅にカットされる、そういうことが十分にあり得る時代です。
だからこそ、会社に頼ることなく、自らキャリアを積み上げる意識が、本当に大切になっています。転職も駆使しながら、どこに行っても通用するスキルや経験を積むこと。これをどんなビジネスパーソンであっても意識していかないと、キャリアアップどころか、生き残れることすらできない時代です。
だからこそ、繰り返しになりますが、キャリアアップを目指す可能性が1ミリでもあるなら、転職サイトや転職エージェントには必ず登録しておきましょう。これまでなかなかキャリアのことを考えてなかったとしても、今からでもキャリアは作っていけます。
幸い、今は売り手市場ということもあるので、キャリアアップするなら絶好のチャンスです。このチャンスを逃さないよう、まずは行動を起こしましょう。
JACリクルートメント:外資系・大手企業の役職ポジションといったハイクラス転職に強い、イギリス発祥の転職エージェントです。現年収600万円〜1,500万円のハイクラス人材向け
doda X:パーソルキャリアが運営するハイクラス向けの転職サービスです
ビズリーチ:先ほど紹介したハイクラス転職サービスです。ビズリーチに登録すると、優良の中小転職エージェントからもスカウトがもらえるようになります。サイト上で求人検索・応募もでき、転職サイトとしても活用可能
- ロバート・ウォルターズ
:年収1,000万円以上といった、上記より更にエグゼクティブ寄りのイギリス系転職エージェントです。語学が担当な方、駐在経験者などは利用価値が高いです。
※なお、30代から別業界・別職種への「キャリアチェンジ」も検討している場合、30代からのキャリアチェンジで失敗しないための転職方法【手順を解説】も参考にどうぞ。