僕は新卒で東証一部の大手上場企業に入社。その後、20代後半でアフリカへの海外駐在を経験しました。そしてその後、大手企業から転職をしました。
僕の場合、大手を退社し、別の大手企業へ転職をしました。なので「大手企業」というルートから外れたわけではありません。が、転職した先は社風も新しい会社のため、新しい仕事にも、どんどんチャレンジできるようになりました。
また、副業もOKな会社なので、週末や平日夜の時間を使って、自分で複数の事業をしています。現在は事業収入の方が、会社員の収入よりも大きく育っています。このように、僕の場合、転職を決意して行動したことで、控えめに言っても、人生大きく変わりました。
僕の場合、転職がうまくいきましたが、大企業からの転職は、成功する人がいる反面、後悔する人も多くいることが実情です。だからこそ、大企業からの転職は、より慎重になって決断すべきです。
そこで本記事では、
- 新卒で入った大企業を辞めて転職した理由
- いま、大企業から転職するメリット・デメリット
- 大手出身者が優良企業へ転職する最適な方法
これらを含め、「大企業からの転職の全て」を、僕自身の実体験から話をしていきます。
なお、僕自身は、現在転職支援の仕事をしているので、実体験に加え、より専門的な転職知識も踏まえた上で、大企業転職についての「リアル」を解説していきますね。「今いる大手企業から転職するかどうか悩んでいる」「後悔しないか不安」、そんな方は、記事を通じて得られるものがあると思います。
目次
僕が新卒で入った大企業から転職した3つの理由
まずは、なぜ僕が新卒で入った大企業を辞めて転職しようと思ったか、その理由を挙げていきます。結論、理由は3つあります。
理由1. 自分の市場価値やスキルが伸びていかないことに不安を覚えた
大企業あるあるですが、大企業の場合、仕事の仕組みや分業化はほぼ整備されています。つまり、大企業の、特に一社員の場合、オペレーショナルな「仕組みの一部」にしか過ぎないんですよね。
僕がいた会社は、会社の考え方も古い体質でして、新しいことにどんどんチャレンジすることは非常にしづらい環境でした。若いと裁量権も少なかったですし、上のポジションも詰まっていました。
唯一、海外駐在をしていたときは、自由にいろいろ事業をすることができました。が、日本へ帰任後は、また同じような仕事に逆戻りしてしまったんですよね。
「これ以上、この会社にいても、市場価値やスキルを高められる経験はできないな」
「もっと早く、自分のためになる経験が積める環境があるのでは?」
そう考え、よりチャレンジングに仕事ができる環境を求めて転職しました。これが一つ目の理由です。
理由2. 自分の未来が見えてしまったから【そしてそれは、望んだ未来ではなかった】
大手企業の場合「自分の上司の姿が、将来の自分の姿」とはよく言います。最近は多少変わってきてはいますが、それでも大手企業の多くは「年功序列」が色濃く残っています。そのため、自分が30歳、40歳になったときの未来が、20代の早いうちから見えてしまったんですよね。
僕の場合、その姿を想像したとき、自分の望んだ未来ではなかったです。ですから僕の場合、転職を決意するより割と早い段階から、転職エージェントには登録をしていました。転職エージェントに登録しながら、常に別の道も模索しながら行動していたんですよね。
結果として「やはりこの道の先に望んだ未来は無いな」と思い、新卒で入った大手企業から転職することを決意しました。一度きりの人生ですから、理想の未来を実現することを目指したということです。
理由3. 他にもっとやりたいことができたから
冒頭でも書きましたが、僕は現在、個人で事業をやっています。その事業を本格的にやりたいと思いながら、それでも、「会社員としてのキャリア」も同時に大事にしたかったんですよね。
そのため僕の場合、「副業OKな会社」かつ「リモートワーク」など、自由な働き方ができる会社という軸で、転職活動を行いました。
結果として、希望に合う企業に入社することができ、現在はそこで転職支援の仕事をしながら、個人で事業をするという働き方を実現できました。
以上3つが理由ですが、一言で言うと「前職だと実現できなかったことを実現するために転職をした」、これが大企業から転職を決めた理由でした。
ここまで紹介した理由以外にも、人によっては「仕事が憂鬱」「つまらない」など、大手から転職を考える理由があると思います。
理由別の対策については、以下記事で紹介しているので、興味があれば本記事と一緒にチェックしてみてください。
大企業からの転職は有利だったか?
結論、有利になりました。
僕の場合、海外駐在を若く経験したこと、加えて英語ができたことがプラスになりましたが、それを差し引いても、大企業出身ということは有利に働いたと感じます。
なんで大手企業からの転職は有利になるのか?
特に20代など若い方に顕著ですが、大企業に入社した「ポテンシャル」を評価されるケースが多いからです。そのため大企業出身者の場合、中小企業の方と比較し、特に書類選考の通過率が高くなります。
大企業から大企業転職の場合「大企業のカルチャーに慣れているだろう」という観点で、評価されやすい部分もあります。ベンチャーと大企業だと、仕事の進め方もだいぶ違うので、採用するなら大企業が良い、という企業も多いです。
また、大企業は仕事が仕組み化されています。ベンチャーなどは体系化されたものがなかったりするので、その役目を期待し、大企業出身者を取るベンチャーもいますね。
このような理由で転職に有利になりやすいです。事実、僕の周囲でも、多くの人が大手企業から転職をしましたが、みんな良い環境の会社に転職しています。例えば、ざっと思い出しただけで、以下のような企業に転職していますね。
- 外資系コンサルティング会社(ボストンコンサルティング、デロイト、アクセンチュアなど)
- 大手メガベンチャー(Yahoo、リクルートグループ、DeNA、LINEなど)
- 外資系インターネット(Google、Amazon、Twitterなど)
- 外資系IT(セールスフォース、IBM、シスコシステムズなど)
- 日系大手メーカー(SONY、パナソニックなど)
- 日系自動車メーカー(本田技研など)
このように、ネット界の覇者Googleや、外資系コンサルティング会社まで、多くの優良企業に、大手出身者が転職を成功させています。加えて、急成長中のベンチャー企業や、スタートアップのスターティングメンバーとしてジョインしている友人もいました。
このように、特に大手企業の出身者の場合、選べる道が広いんですよね。僕のように別の大手企業にもいけますし、ベンチャーやスタートアップに行くこともできる。それは、大手出身者ならではの利点ですね。
大手企業から転職するメリット・デメリット
冒頭でも書きましたが、大企業から転職して満足する人もいれば、転職して後悔する人もいます。
なので、大企業から転職するメリット、デメリットも挙げていきます。
メリット1:今より良い条件の会社に行ける可能性がある
上記の通りで、メリットとしては、今より良い条件の会社に入れる可能性があることです。
いま、転職市場は全体的に売り手市場です。「売り手市場=働く人手不足」なので、企業としては、採用意欲がとても高いです。そのため、いまなら1ランク、2ランク上の企業に入社することは、比較的簡単になっているんですよね。
例えば僕の周囲だと、特に名もしれていない中小企業の商社から、大手自動車メーカーに転職に成功した人がいます。また、年収100万円UPで転職した人も割と多く存在します。多い人だと年収250万円UPで転職した方もいますね。
ちなみに僕自身も、転職して年収は上がりました。その上前述通り、リモートワークや副業もできるようになりました。
このように、転職をすることで、より良い条件を一気に手に入れることができることは、転職の大きなメリットですね。
メリット2:やりたいことができる可能性が高まる
新卒と違い、転職の場合は「部署」「職種」単位で募集していることが普通です。そのため、配属コントロールがしやすく、やりたいことが実現しやすいんですよね。
新卒の場合、「配属ガチャ」がありますよね。「企画をやりたくて入社したのに、営業に配属されてしまった」。そのようなことが、新卒の場合は特に起こり得ます。ですが転職の場合、配属ガチャが基本的にないので、やりたいことを実現できる可能性が高いです。
もちろん、入社して数年経てば、特に大手企業であれば人事異動がある可能性はあります。ですが、いまやりたいことがあるなら、それをすぐに実現できる可能性は高いですよ。
デメリット1:収入が下がる可能性がある
- ベンチャーやスタートアップへの転職
- 経験を活かせない転職(異業界・異職種など)
特に上記のような転職をする場合、収入が下がる可能性があります。
例1:ベンチャーやスタートアップへの転職
まず、ベンチャーやスタートアップへ転職する場合、基本的には年収が下がることが多いです。というより、そもそも、ベンチャーやスタートアップに「給料目的」で転職することは間違っています。
ベンチャーやスタートアップは、大企業と比較し、潤沢なお金を持っていません。日々の資金繰りの方が大切なので、固定費である「給料」を多く払うことは、それはそのまま、会社のリスクを高くしていることとイコールなんですよね。
僕自身、転職支援の仕事をしていると、よくベンチャー起業家、経営者と話をしますが、「入社段階で根拠のない高い給料を要求してくる大企業出身者は絶対に採用しない」と豪語している経営者も多いです。一方で彼らは「入社後に結果さえ残せば、年収1,000万円くらいは全然払う」とも言っていますね。
つまり、そういうことです。ベンチャーやスタートアップで年収を上げたいなら、「自分で会社の売上を上げて、その対価としてもらうんだ」くらいの意気込みで望まないと、正直厳しいですよ。
参考までに、ベンチャー企業の年収水準は、役職ごとに以下のような感じです。
- 取締役:1,500万円以上
- 執行役員:1,000万円〜1,500万円
- 部長:800万円〜1,000万円
- マネージャー:600万円〜800万円
- メンバー:600万円未満
こんな感じです。なので、入社後に結果を残して行けば、年収1,000万円以上目指せることは間違いないです。ですが、「結果を残せば」、ですね。
ですから、安定した収入面を重視したいなら、間違いなく大手企業の方が良いです。
例2:経験を活かせない転職(異業界・異職種など)
例えば、
- 商社→コンサル
- 営業職→企画職
このような転職の場合、基本的には年収が下がることが多いです。
特に職種を変える場合、年収は下がりやすいです。ですから「本当にやりたいことを優先するか」「それとも年収を優先するか」で、職種選びは変わってきます。
「同職種・異業種転職」は年収UPの可能性がある
一方、職種はそのままで「業界」を変える転職は、年収を上げる可能性を秘めています。なぜなら、業界によって年収水準は決まっており、年収水準が高い業界にいけば、そのまま年収が上がることが多いからです。
例えば、「メーカーのエンジニア」から「金融業界のエンジニア」へ転職するケース。この場合、年収は大きく上がります。なぜなら、金融業界はメーカーよりも年収水準が高いからです。
このように、職種そのままで、年収水準が高い業界への転職は、年収を上げる可能性を秘めており、個人的におすすめです。
デメリット2:会社によっては、一度転職してしまうと戻れない可能性がある(片道切符)
大手企業の中には、「出戻りができる企業」と「出戻りができない企業」、大きく2つがあります。
出戻りができない企業の代表的なところは「総合商社」です。三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事などは、一度辞めてしまうと、戻ることは難しいです。また「広告代理店」もそうですね。博報堂なども、一度辞めてしまうと、戻ることは難しいです。
なので、このような「新卒切符」に価値のある企業に勤めている場合は、転職する前にはよく考えた方が良いです。逆に、中途採用を積極的にやっていて、いつでも戻れるような会社もあります。その場合、転職のリスクは実は大きくないです。失敗したら戻ることも検討できます。
以上が、大企業から転職するメリット・デメリットです。
大企業から転職する2つのパターン
- 大企業から大企業へ転職
- 大企業からベンチャーやスタートアップ、中小企業へ転職
大企業から転職する場合、大きく分けると上記の2つの転職パターンがあります。
パターン1. 大企業から大企業へ転職
僕が実際に行った転職です。個人的にこの道を取りましたが、良い会社さえ見つけられれば、収入面も安定しながら、自分のやりたいことが実現できるので、おすすめしている道です。
「大手だと成長ができない」という人もいますが、これは「誤り」です。確かに、大手だと分業化されすぎているがため、成長できない環境も多いです。ですが、若いうちから裁量を発揮し、圧倒的に成長できる大手もちゃんとあるので安心してください。
なんだかんだ言っても、安定性や収入面、福利厚生などを考えると、大企業の方が優れています。なので、まずは「大企業転職」をまず検討してみると良いですね。
パターン2. 大企業からベンチャーやスタートアップへ転職
もう一つが、大企業からベンチャーやスタートアップ転職です。実は、最も失敗する人が多いのがこの道です。
なんでベンチャー転職が失敗しやすいかというと、ベンチャーの方が、活躍できる人の数が圧倒的に少ないからです。
例えば、これまで見てきた中では、
- 大企業=80%の人が輝ける
- ベンチャーやスタートアップ=10%の人しか輝けない
はっきり言って、こんなイメージです。
つまり、よほど能力が高い方であれば、ベンチャーやスタートアップに行くことで、輝けると思います。ですが、多くの人は結局活躍できていません。大企業とベンチャーだと、仕事の進め方も違うので、大企業で活躍できても、ベンチャーで活躍できるとは限らないんですよね。
実際ベンチャーの場合、活躍できなければ収入も役職も上がりません。この辺りは、大企業と比較してかなりシビアです。転職して数年後、前職の同期が順調に出世している姿を見て、「自分も残っていたら・・」と、後悔する人の方が、残念ながら多いんですよね。
ということで、個人的には、大企業から転職するなら、まずは同じ大企業群の中から、転職先を検討することをおすすめします。その上で「やっぱり自分の実現したいことは、大企業では叶わず、ベンチャーやスタートアップに行く必要がある」と思えば、そこでベンチャーやスタートアップに振り切ればOKかなと思います。
参考までに、最も失敗しやすい「大企業からベンチャー転職」のメリット・デメリットを以下にまとめました。
- やりたいことが実現しやすい(職種、部署など)
- 裁量権を得られやすい
- 大手のように分業になっていないので、仕事の幅が広がる
- 無駄な会議や稟議が減る
- 転勤の可能性が減る
- 収入が下がる可能性がある
- 戻れない可能性がある
- 活躍できない可能性
- 大企業より福利厚生恵まれていない
- 転勤がないことが多いので、人間関係をリセットする機会がない
- 雑用も全部やる可能性あり
- 教育制度が劣るため、自分で解決する力が求められる
特に大企業からベンチャーやスタートアップに行く場合、しっかり考えてから決断をしましょう。
大手企業出身者の「失敗しない転職方法」とは
大企業からの転職の場合、転職サイトは使わず、「転職エージェント」の利用がおすすめです。なぜかというと、転職エージェントの方が、良い求人に出会える確率が高いからです。
特に大企業や、ベンチャーの重要ポジションがそうですが、良い求人は一般公開されません。なぜなら、ほかの競合他社に、自社の動向がバレるからです。
僕自身、良い条件の求人紹介を受けたのは、転職エージェントからでした。例えば、僕は世界時価総額ランキングでトップ10に入る、外資系大手IT企業の内定を勝ち取りましたが、それはハイクラス向け転職支援に特化した「JACリクルートメント」という転職エージェント経由でした。
参考>>JACリクルートメントで外資系大手から内定をもらったので、評判・口コミや感想をまとめた
一部、ビズリーチのようなハイクラス向け転職サイトの場合、良い求人は多くありました。ですが、一般の転職サイトの場合、そこまで良い求人はありませんでした。
なので、大企業からの転職の場合、転職先が大企業・ベンチャー・スタートアップいずれの場合も、「転職エージェント」を軸にした方が、良い転職が実現しやすいですね。この方法は、「失敗する転職」を避けることにも繋がります。
使ってよかったおすすめの転職エージェント
なお、大企業からの転職、および大企業への転職で、使ってよかったおすすめの転職サイトや転職エージェントは「【大企業転職】大手転職で使って極めて役立った転職エージェントと転職サイト7つ」の記事でまとめています。こちらを参考に、自分に合った転職エージェントを探してみてください。
また、よりハイクラスな転職を実現したいなら、【ハイクラス転職】使ってよかったハイクラスに強い転職エージェント・転職サイト8選の方が最適です。僕自身、多数の大手企業やベンチャー幹部職などを紹介してもらえた、厳選転職エージェントです。年収600万円以上、800万円以上、1,000万円以上を狙って行きたい方は、こちらから選ぶとベターです。
厳選した中でも「JACリクルートメント」と「doda X」の2つ、は求人の質がトップクラスに高く、満足度が高いサービスでした。
完全無料で登録・利用できるので、ご経歴に自信がある方は、残された可能性を知るためにも、無料登録して案件紹介まで受けてみることをおすすめします。現職にバレることもない仕組みなので、安心して使ってみてください。
まとめ
文中でも述べましたが、いま転職市場は売り手市場です。そのため今なら、新卒で入った企業より、1ランク、2ランク上の会社を目指すことも、現実的に十分目指せます。
大企業の場合、ある程度未来の自分の姿は予想できると思います。敷かれたレールに沿って、生きていくことも一つの人生で良いと思います。ですが、もしあなた自身がそんな未来が嫌なら、行動を起こす必要があります。
人生は決断の連続です。決断すること自体から逃げていると、年齢だけ重ね、可能性の芽が潰れてしまいます。
事実、行動することより、行動しないリスクの方が、実は何倍も大きかったりしますよ。お互い「決断」と「行動」をしながら、後悔してもしきれない未来だけは、避けたいところですね。
▼大企業転職で役立った転職エージェント・転職サイト
▼ハイクラスな求人を多く紹介してもらえた転職エージェントはこちら
なお、転職自体をしても良いのか悩んでいる方は、以下記事も参考にどうぞ。
転職すると人生がどう変わるのか、実体験から解説しています。