- 転職エージェントって無料で使えるみたいだし、何か裏がありそう。転職エージェントの裏事情を知りたいな。
本記事では、このような疑問に答えていきます。
結論から言うと、転職エージェントに裏事情は存在します。なぜなら、彼らもれっきとしたビジネスで、転職エージェントという事業をやっているからです。
なので、ビジネス的に儲かるか、という視点があるので、必ずしも利用者である僕らのために尽くしてくれるか、というわけでもないです。
これを書いている僕は、新卒で大手企業に入社し、アフリカへの海外駐在を経験しました。第二新卒の頃から自分の市場価値チェックのために転職エージェントは利用し続けており、実際に海外赴任後に転職もしました。
また、現在は転職支援の仕事をしていることから、転職エージェントの裏事情については、利用者、そして業界の立場としても、これでもかと言うほど知り尽くしています。
そんな僕の経験から出した結論は、転職エージェントは確かに裏事情があるが、その裏事情を理解した上で使い倒すことが、良い転職を実現するためには欠かせないということです。
そこで本記事では、転職エージェントの裏事情と、おすすめの活用方法をご紹介します。
- 転職エージェントって何か裏がありそう
- 転職エージェントを使うことを迷っている
- 転職エージェントのおすすめな活用方法を知りたい
そんな方は、本記事を読めば、疑問を解消することができます。5分ほどで読めるので、良い転職を本気で実現したい方のみ、続きをどうぞ。
目次
転職エージェントの裏事情【裏側を理解しよう】
冒頭の通り、転職エージェントには裏事情があります。ですが、この裏事情を正しく理解することで、転職活動を有利に進めることができ、かつ、逆に不利な立場にならずにも済みます。
ですから、これから述べていくことは、必ず頭に入れておきましょう。
1. 行きたい企業よりも、受かりやすい企業が紹介されやすい
転職エージェントの中には、あなたが行きたい企業よりも、あなたが受かりやすい企業を紹介してくるコンサルタントが存在します。
なぜかというと、転職エージェントのビジネスモデルは「成果報酬制度」だからです。
転職エージェントのビジネスモデルは「成果報酬制度」
転職エージェントの成果は、あなたに求人を紹介したときでも、あなたが面接に進んだときでもありません。「あなたの入社が決定したとき」に初めて、売上となるんですよね。
報酬でいうと、だいたい入社決定年収の30〜35%が、採用企業から転職エージェントに支払われます。多いところだと、50%なんてところも実はあります。
このように、非常に利益率の高いビジネスではあるのですが、一方で、あなたの転職が決定しない限りは、転職エージェントの売上は0円なんですよね。
ですから、あなたがいくら希望している企業があっても、受かる確率が低いと判断されれば、積極的に紹介してくれません。なぜなら、転職エージェントとしてはタダ働きになる可能性が高いからです。
ですから、受かりにくい求人より、受かりやすい求人を中心に紹介してくるエージェントが、世の中には一定数存在するんですよね。
もちろん、こういったエージェントは一部であることも事実です。ですが、こういった仕組みがあり、このようなエージェントも存在することは、必ず頭に入れて接することが必要です。
これに対する対処法でいうと、「この求人は、私の転職目的のどの部分に一致していますか?」と、転職エージェントに聞いてみると良いですね。
その回答があなたの希望に一致していれば、検討すれば良いですし、仮に一致していなければ、単純に受かりやすい企業を紹介している可能性があります。なので、見送るか、その真意を探りに行きましょう。
おそらく、採用基準が低いか、あるいは大量採用をしていて受かる可能性が高いから、紹介している確率が大きいです。
2. 早期に転職することを促してくるエージェントが多い
転職エージェントは毎月、ないしはクォーター(3ヶ月ごと)で売上目標を持っていることが多いです。そのため、時期によっては、早期の転職を促してくるエージェントも多いです。
特に、月末やクォーター末(クォーター末は、一般的には3月末、6月末、9月末、12月末が多い)は、転職エージェントとしても目標の追い込み時期です。ですから、通常期よりプッシュが強めになる傾向があります。「早めに決めた方が良いですよ」という風に。
もし月末、クォーター末に近づくにつれてプッシュが強くなったら、そういうことだと思っておきましょう。押しに弱い人だと、悩んでいても焦って決めがちですが、絶対に焦って決めてはいけません。
そもそも、待ってくれないような企業は、そこまであなたを必要としていない証拠ですから。決断まで少しも時間を設けてくれない企業は、そもそも入らない方が良いかもしれません。
3. 転職の実現可能性が低い人は登録自体が拒否される
また、経歴が良くないなどの理由で、転職の実現可能性が低いと判断された人は、登録自体が拒否されることもあります。
- 年齢
- 職歴(特にブランク期間、経験社数)
特にこの2点を見ているエージェントが多いですね。
ただし、この基準は転職エージェントによって様々です。なので、1社登録を拒否されたとしても、2社、3社と諦めずにコンタクトしていきましょう。
年齢が高い方に強いエージェントもありますし、ブランクがある方の転職に強いエージェントもありますので、これは数を当たることが必要です。
それでも転職エージェントを活用することが良い理由
結論、以下のメリットがあるからです。
・転職活動における手配を全て代行してくれるから
・キャリア相談に親身に乗ってくれるエージェントも存在するから
・転職エージェントにしかない優良非公開求人が多くあるから
・年収UPしやすいから
・転職エージェントの方が、転職サイトと比較して「選考通過率」が上がるから
・全て無料で利用できるから
このようなメリットがあります。
事情を理解しながらも、使い倒すメリットが十分にある
述べてきた通り、転職エージェントもビジネスなので、利用者側には見えない裏事情もあります。しかも、相手は経営陣を除き、普通のサラリーマンです。なので、自分の利益を優先してしまいがちなのは、ある意味仕方ないことなんですよね。
それでも、転職エージェントを利用することで、自分の理想の企業や仕事に入れる可能性が高まることは、まぎれもない事実です。
いくつかメリットをピックアップして、解説しますね。
優良求人を探したいなら転職エージェントの利用が必須
例えば、転職エージェントにしかない非公開の優良企業は本当に多く存在します。
例えば僕自身、世界時価総額トップ10に入る外資系大手IT企業から内定をもらいました、それは転職エージェントにしかない求人でした。
このように、良い案件というのは、転職サイトには公開されていないんですよね。なぜなら、転職サイトに公開すると、競合他社に動向がバレるからです。
この部門を強化したいというのがバレると、どの事業に力を入れていくかは丸わかりですからね。ですから、特に重要なポジションほど、転職エージェントに依頼をしているケースが多いです。
ですから、優良求人に出会いたい人ほど、転職エージェントを利用する価値は大きいんですよね。
転職エージェント経由の方が、選考も通過しやすい
また、転職エージェント経由の方が、選考通過率が上がることも事実です。というのも、転職エージェント経由であれば、「推薦状」付きで、企業に応募できるからです。
転職エージェントの中には、特定の業界・企業とコネクションが強いところがあります。そういった転職エージェント経由で応募をすることで、一般の転職サイトでは難しかったような求人にも、受かるチャンスが生まれるんですよね。
例えば僕も、普通に転職サイト経由で応募しても受からないだろうなと思っていた企業に、転職エージェントの推薦状付きで応募をしたことで、書類選考を通過することができました。
また、ほかに僕があった事例では、転職エージェントが推薦してくれたおかげで、面談前の適性テストと、一次面接を免除されたこともありました。
年収アップしやすい
転職エージェントを活用する大きなメリットの一つに、年収交渉があります。転職エージェント経由で応募すれば、転職エージェント経由に「年収交渉」を任せられるんですよね。
例えば、あなたが普通に転職サイトや企業HPから応募したとします。この場合、間に入る人は誰もいないので、あなた自身が、企業とやりとりを全部一人ですることになります。
そして当然ながら、年収交渉自体も、自分一人でやる必要があるんですよね。「果たして自分で年収交渉できるか」、それを自分に問いてみてください。僕が見てきた中では、企業に対して自分で年収交渉し、年収アップで転職した人は少ないです。
その点で、転職エージェント経由で年収交渉することはおすすめです。そもそも転職エージェントは、企業からすれば第三者からの意見になるので、「この候補者であれば、このくらいの年収を出さないと他社に取られますよ」と交渉されると、企業としても受け入れやすくなるんですよね。
ですから、年収アップしたい人は特に、転職エージェントを利用することが必要ですね。
以上、いくつかメリットを書き出しました。このように、事情を理解した上で、賢く利用すれば、転職エージェントほど利用価値の高いものはないんですよね。
転職エージェントのおすすめの活用方法【使い倒すことがおすすめ】
- 転職エージェントは必ず複数併用する(まずは5社)
- ダメなコンサルタントは素早く見切りをつける
- 良い求人があったら、転職エージェント経由で応募する
結論、上記の通りです。
1. 転職エージェントは必ず複数併用する(まずは5社)
転職エージェントの質は、担当のコンサルタントによって大きく変わります。自分で担当は選べないからこそ、複数併用して、コンサルタントの質を見極めることが大事なんですよね。
その点で、まずは5社ほど、転職エージェントを利用することが良いです。
5社併用すれば、コンサルタントごとに特徴も違いますし、前述したように、自分に合わない案件を提案してくれるコンサルタントや、親身になって相談に乗ってくれるコンサルタントの違いも見えてきます。
また、「他の転職エージェントを利用している」と伝えれば、相手も下手に変なこと言えないですからね。
もしあなたが1社しか使っていないと、「このカスタマーは転職市場について詳しくない」と思われがちですから、「転職エージェントはいま複数併用していて、フラットに意見を聞いています」くらい言える状態にしておくことが、良い情報を引き出すコツです。
おすすめの転職エージェント
とはいえ、「どこの転職エージェントを利用すればいいかわからない」という感想だと思います。
ですので参考までに、僕自身が実際に使ってよかった転職エージェント・転職サイト10社は、【転職おすすめ】使って本当に良かったおすすめ転職エージェント・転職サイト10つ【比較】でまとめています。
転職エージェントは数が本当に多く、当たり外れも多いです。上記は全部僕自身が使ったサービスで、この中から選んでおけば間違いないと思っています。少なくとも失敗確率は減らせますね。
2. ダメなコンサルタントは素早く見切りをつける
その上で、「このコンサルタントはダメだな」と思ったら、すぐに見切りをつけることも重要です。コンサルタントにとっては厳しいようですが。
例えば、あなたの希望を全く受け入れず、受かりやすい企業を推してくるエージェントなんて以ての外です。その場合、「急ぐ理由」や「その企業を推薦してくる理由」を聞いてみましょう。
そこで、「人気求人で、募集がすぐに終わってしまうかもしれない」と回答があれば、そのコンサルタントは見切りをつけた方が良いですね。なぜなら、紹介の起点が、「企業起点」になっているからです。
本来、転職は「あなたがどうなりたいか」、「あなた自身を起点」に考えるものです。それが、「人気求人だから早く応募しないと」という理由はおかしいんですよね。
「あなたの希望である◯◯に合致している求人で、ここなら、あなたが転職で望んでいることが実現できる可能性が高いです。かつ、今回の採用人数は1名で、現在選考に進んでいる方もいらっしゃいます。もし興味があれば、話を聞くだけでも進んでみてはいかがでしょうか?」、くらいのことを提案してくれるエージェントは、ちゃんとあなたの希望を理解した上で、提案をしてくれている可能性が高いです。
このように親身にアドバイスをくれる方は、信頼できる転職エージェントかなと思います。
3. 良い求人があったら、転職エージェント経由で応募する
転職活動を進めていく中で、「この企業なら応募したい」という求人が出てくると思います。その時は、転職サイト経由ではなく、転職エージェント経由で応募しましょう。
前述通り、転職エージェント経由であれば選考通過率が上がります。企業HPや転職サイト経由でも応募はできますが、多数の候補者の中で埋もれてしまうリスクもあります。ですから、転職エージェント経由で応募することが良いです。
まとめると、
1. 転職エージェントは必ず複数併用する(まずは5社)
2. ダメなコンサルタントは素早く見切りをつける
3. 良い求人があったら、転職エージェント経由で応募する
このポイントを押さえて利用することが、転職エージェントの賢い活用方法です。
転職エージェントとの面談方法を理解する
他にも、おすすめの面談のコツが存在します。
詳細は以下の記事でまとめているので、こちらも時間を取って読んでおくことで、失敗しない転職に近づくと思います。
転職エージェントの裏事情を理解し、フル活用しよう
最後に、今は転職市場が売り手市場になっています。そのため、以前であれば「個人<企業」という力関係だったものが、いまでは「個人>企業」という風に、力関係が逆転しているんですよね。
そんな状況ですから、今であれば、1ランク、2ランク上の企業に転職できる可能性も高くなっているんですよね。
以前は転職というとネガティブなものに捉えられていました。ですが今は、転職をすることは一般的になりましたし、何よりキャリアを最速で高めるために、有効な手段となっています。社内で昇進、昇給を目指すより、転職を織り交ぜた方が、ずっと早く、ずっと効率的に、ずっと楽に、キャリアアップできることも多いんですよね。
ですから、転職することはすぐに決めなくても良いですが、転職エージェントに相談して市場価値をチェックする、実際に面接を受けてみるなど、「転職活動自体」は、今からでも進めておくことが必要です。
そうすることで、たとえ今の会社が潰れてしまっても、自分にどんな選択肢があるのか理解できている状態になれますし、実際に転職することもできます。
前述通り、万人におすすめの転職エージェント・転職サイト10社は、以下の記事でまとめています。転職エージェントは数も多く、当たり外れも多いですから、本当に良いサービスを厳選して使うことが大事ですね。
▼総合的に最もおすすめな転職エージェント
【転職おすすめ】使って本当に良かったおすすめ転職エージェント・転職サイト10選比較
上記は全部僕も使ってよかったので、お勧めできます。もちろん、コンサルタントによってハズレの場合もあるので、「複数併用すること」が大事です。
また、以下年代・目的別のおすすめのサービスもまとめているので、より自分の条件に合った転職エージェント・転職サイトを探したい方は、以下の記事をどうぞ。
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