経理で海外駐在・海外勤務する方法や必要な資格【元駐在員が解説】

経理として海外駐在を目指す方法

 

  • 経理は海外駐在員になりやすいのかな?
  • 経理の海外赴任・海外勤務事情について詳しく知りたい。

 

本記事では上記のような疑問に答えていきます。

 

結論からお伝えすると、経理はバックオフィス関連(経理、人事、総務など)の中でも、最も海外駐在員になりやすい職種です。

 

しかも、海外駐在員になる時期も「20代」など若いうちから、東南アジアなどだけでなく、「アメリカなど人気国」へ赴任する可能性も意外と多いのが、経理という職種です。

 

海外駐在員になりたい場合は、経理・財務系は特におすすめの職種ですし、経理の方で駐在員になりたいなら、チャンスはたくさんありますよ。

 

僕は新卒で日経大手グローバル企業に入社し、20代でアフリカへの海外駐在を経験しました。駐在員としてアフリカだけでなく、北米やアジア、ヨーロッパや中東など、様々な国でビジネスをしてきました。

 

多くの国の駐在員事情を見てきたので、経理の駐在員がどのような仕事をしていて、どのような働き方をしているか、リアルを把握してきました。

 

そのような経験をもとに、経理の海外駐在員事情を解説します。この記事を読めば、経理の海外駐在のリアルを知れるだけでなく、これから経理の海外駐在員を目指す方法も知ることができますよ。

 

なぜ経理は海外駐在しやすいのか?【駐在員の経理ポジションが多く存在するから】

なぜ経理は海外駐在しやすいのか?【駐在員の経理ポジションが多く存在するから】

 

結論、「海外駐在員の経理ポジション」は多くの企業に存在するからです。

 

まず海外現地法人では、現地国に合わせた会計や財務を行っています。一方で、それら経理・会計業務を現地スタッフに任せるのではなく、多くの企業は「日本人駐在員」を現地に赴任させることで、経理の統括ポジションを彼らに任せています。

 

企業にとって「お金周り」は経営をする中で極めて重要なポイントです。ですから多くの企業は、経理ポジションに海外駐在員を置くことで、安定した経営を行うように努めています。

 

経理はあらゆる職種の中でも、若いうちから海外駐在員になりやすい

経理は海外駐在員になりやすいだけでなく、他の職種よりも若いうちから、海外駐在員になりやすい特徴があります。

 

例えば僕がいた会社では、同期で一番最初に駐在員になったのは経理でした。これは他の会社を見ていても同様で、経理であれば24〜25歳くらいで海外駐在員になる人も一定数存在します。

 

これが経理ではない他の職種になってくると、駐在員になれるタイミングはマチマチです。早い人で24歳前後くらいから駐在員になる一方、遅いと40代で初めて駐在員になるケースもあります。

 

その点経理は、20代の若さから駐在員を経験できます。この「早さ」が、経理として海外駐在員を目指すことを個人的におすすめする理由の一つです。

 

その上、駐在員は給料が高いです。なので、例えば東南アジアなど物価の安い国で20代半ばから駐在員になることができれば、倹約次第では、30代になる頃には資産も数千万円単位で貯まりますよ。

 

このように、経理は駐在員になりやすいだけでなく、若いうちからなれるため、資産形成面などでも圧倒的に有利です。

 

なお、駐在員のリアルな給料事情については「海外駐在員の給料・年収事情について元駐在員が暴露する【結論、稼げる】」で実態を書いています。興味あればこちらもどうぞ。

 

余談:経理以外のバックオフィス系職種(人事や総務など)の実態

ちなみに経理と同じバックオフィス系の職種としては「人事」が最も代表的です。

 

人事も経理同様、駐在員が多いかというと実はそうではなく、むしろ圧倒的に少ないです。

 

理由は複数ありますが、一番大きな理由は、海外企業は「所属先のボスが人事権を持っていることが多いから」です。

 

例えば、海外企業の営業部では、営業部長が人事権を持っていることが多いです。もっと小さな単位でいうと、営業所では営業所長が人事権を持っていることも多いです。

 

つまり海外においては、人事周りの「採用」や「解雇」の決定権を、人事ではなく「部長」や「所長」など現場の人が持っていることが多いです。

 

こういった人事機能が、海外と日本では少し異なります。そのような背景もあり、人事を専門とする海外駐在員は少ないです。

 

また総務の海外駐在員も僕は聞いたことがないです。なので、バックオフィス職種で海外駐在員になるなら、経理一択ですね。

 

経理として海外赴任しやすい業界【メーカーや商社】

経理として海外赴任しやすい業界【メーカーや商社】

 

結論からお伝えすると「メーカー」や「商社」が、圧倒的に経理職として海外駐在員になりやすいです。

 

なぜなら、海外駐在員の母数が圧倒的に多いのが「メーカー」と「商社」だからです。

 

僕が現地で見てきた、経理の海外駐在員が実際にいた業界・企業リスト

前述通り、僕は世界中で駐在員を見てきましたが、経理の海外駐在員が実際にいた業界や企業の一部は以下となります。

 

  • 自動車メーカー(トヨタ自動車、日産、ホンダなど)
  • 自動車部品メーカー(デンソー、豊田紡織、アイシン精機、ブリヂストンなど)
  • 商社(三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、豊田通商、双日など)
これらの業界・企業は、経理の駐在員が実際に現地に赴任をしていましたね。

 

また海外駐在員が多い他の業界や企業で言うと、

 

  • 電気メーカー(SONY、シャープ、キャノン、三菱電機、富士通など)
  • 化学(住友化学、東レ、旭化成など)
  • 銀行(三井住友銀行など)
  • IT(NTTデータなど)
  • 物流(日本通運など)

 

こういった業界・企業もありました。こういった業界や企業であれば、経理として海外駐在員になりやすいですね。

 

経理で海外駐在員になるために資格は必要?【グローバル経理で働くために】

経理で海外駐在員になるために資格は必要?【グローバル経理で働くために】

 

結論、経理として海外駐在員になるために、資格は必要ありません。

 

ですが、そもそも経理でない人が経理になる際は、資格はあったほうがなりやすいです。

 

これから経理になるなら簿記を取っておこう

代表的な資格は「簿記」ですね。

 

例えばあなたが大学生なら、学生期間のうちに簿記を取っておきましょう。特に日系メーカーや商社の場合、簿記を持っている人を経理に配属するケースも、僕が見ていた中では実際にあった事例です。

 

経理として海外駐在員を目指すなら、簿記を取得し、実務経験を積んでおきましょう。

 

経理として海外駐在員を目指すならTOEICを勉強しよう

その上で、TOEICを勉強しておき、英語ができる人材アピールもしておくと、より高い確率で経理として海外駐在員を目指していけます。

 

なお、海外駐在に必要なTOEICスコアについては「海外駐在・海外出張に必要なTOEICスコアは存在しない【元駐在員が実態を解説】」で解説しています。

 

タイトルでは「TOEICの必要スコアは存在しない」と書いており、矛盾しているように見えますが、TOEICスコアを高得点取っておくと有利になる点を解説しています。

 

海外駐在員と英語の関係を知りたい場合は、記事を読むと得るものがあると思います。

 

経理として海外駐在を目指す方法

経理として海外駐在を目指す方法

 

では実際に、経理として海外駐在員を目指すルートを解説します。

 

結論、あなたが「大学生の場合」と、すでに「社会人の場合」で分かれます。

 

それぞれで解説します。

 

1. 大学生(新卒)から経理の海外駐在員を目指す場合

まず大学生から経理の海外駐在員を目指す場合は、以下のステップです。

 

  1. 簿記を取っておく(経理配属の確率を高めるため)
  2. 海外駐在員が多い日系グローバル企業(商社やメーカー)を中心に就活する
  3. 無事入社できたら英語・TOEICを学び、駐在員候補として名乗りを挙げる

 

上記の通りです。

 

大学生の場合は、そもそも経理になれるかどうかわからないので、簿記を取っておき、入社段階で経理に入りたい旨を積極アピールしましょう。

 

特にメーカーや商社の場合、経理になりたくて入る人はほぼいません。僕が入社した某企業も、経理志望は一人もいませんでした。なので、ベースとなる簿記などの知識を学んでおき、人事に直接希望すれば、経理に配属される可能性は高いと思います。

 

その上で、英語を学ぶなどを行い、駐在員になれる機会を待ちましょう。前述通り、経理であれば早ければ20代半ばでも海外駐在員になることができます。

 

これが大学生から経理の海外駐在員を目指すルートです。

 

2. 社会人(中途)から経理の海外駐在員を目指す場合

一方で社会人から経理の海外駐在員を目指す場合は、ルートは2つあります。

 

  1. 海外駐在員が多い日系グローバル企業(メーカーや商社)に経理として転職し、駐在員として選出されるよう励む
  2. もしくは、海外駐在員募集の求人に直接応募する

 

上記の通りです。

 

まずは海外駐在員が多いグローバル企業に経理として入ることが前提です(あなたがすでにそのような会社にいる場合はこのステップは不要です)

 

そこで前述通り、海外駐在員になりたい気持ちを、直属の上司や周囲に積極アピールしていきましょう。そのためには、現職で実績を残しつつ、英語やTOEICの勉強をしておくことです。

 

そのように努力していれば、海外駐在員が多い日系グローバル企業であれば、駐在員になれる確率は高くなります。

 

【朗報】世の中には「経理の海外駐在員求人」も存在する

一方で、世の中には「海外駐在員募集」の求人も存在しています。

 

数としては少ないですが、こういった求人に直接応募することで、早いうちに経理として駐在員を目指すことができます。

 

なおこのルートの場合も、最初の半年間くらいは日本で実務を積むことが多いです。実務を一定期間積み、慣れてきたら現地法人に赴任となります。こういった道もありますね。

 

以上が、社会人から経理の海外駐在員を目指すルートです。

 

まずは経理として海外駐在できる会社に在籍することが必要不可欠

いずれにしても、あなたが海外駐在できる会社にいま在籍していない場合は、駐在員を多く輩出している会社に転職することが必要となります。

 

経理の海外駐在員を目指しやすい転職エージェント

参考までに、将来的に経理の海外駐在員を目指しやすい転職エージェント・サービスを挙げておくと「JAC Recruitment」「doda X」「リクルートダイレクトスカウト」の3つが最もおすすめです。

 

JAC Recruitmentは、イギリス発祥の転職エージェントです。日本ではリクルート、dodaなどと並んで実績があり、中でも海外駐在員を輩出しているような大手グローバル企業の領域では国内トップクラスの実績となっています。

 

僕も愛用している転職エージェントですが、日系グローバル企業の求人も多く紹介してもらえ、世界時価総額ランキングトップ10に入る外資系IT企業の内定も、JAC Recruitment経由で勝ち取ることができました。

 

海外駐在員を将来的に目指せる日系グローバル企業が豊富なので、20〜30代の経理職で、将来的に海外駐在員を目指すなら「JAC Recruitment」は最適です。

 

JAC Recruitmentは「完全無料」で求人紹介を受けることができ、相談も電話で無料でできます。無料登録は5分程度で終わりますが、登録をすることで、経理の海外駐在員を輩出しているようなグローバル企業を紹介してもらえるでしょう。

 

経理の海外駐在員はただ頭の中でなりたいと思っていても、あなたの経歴でこれからなれるかはわかりません。まずは可能性を知るためにも、登録は先に済ませておくことがおすすめです。

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doda Xは、大手パーソルキャリアが運営するハイクラス向けの転職サービスです。国内有数の転職サイトdodaで培った企業とのコネクションを武器に、様々な業界の求人が集まっています。

 

経理の求人に関しても、大手企業を始め、様々な会社の求人が存在します。JAC Recruitmentと併用することで、残された選択肢を知れるだけでなく、今後の可能性を広げていけますよ。

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リクルートダイレクトスカウトは、株式会社リクルートが運営するハイクラス向け転職サービスです。

 

無料登録するだけで年収800〜2,000万円のスカウトが届くようになります。情報収集の一環として、まずは無料で登録し、どんなスカウトが届くか待ってみると良いでしょう。

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経理として海外駐在を経験したその後のキャリア

経理として海外駐在を経験したその後のキャリア

 

経理として海外駐在員を経験すると、その先のキャリアは広がります。

 

例えば「海外駐在員x経理」の経験がある人はマーケットに限られる一方で、多くの企業はその経験を欲しています。

 

そのため経理で海外駐在員を経験していれば、別のグローバル企業の駐在員求人に応募し、そのまま駐在員になることもできます。

 

また、外資系企業など年収が高い会社へ転職し、国内でトップクラスの年収を実現しつつ、キャリアを維持することもできます。

 

さらに言えば、経理や財務の仕事は専門性が高いので、「業種を変える転職」もしやすいです。かつ駐在員としてグローバル経理や英語も身につけておくと、市場価値はさらに高まります。

 

このように、経理として海外駐在員になることは、得られるメリットがかなり大きいです。もちろん、現職で出世することも可能です。だからこそ、経理として海外駐在員を目指したいなら、本気で目指すと、得られるものが大きいです。

 

なお、海外駐在と転職の関係については「海外駐在経験は転職に有利?元駐在員で現在転職支援をしている僕が解説」で詳しく解説しています。

 

  • すでに経理として海外駐在していて、今後のキャリアに悩んでいる方
  • 経理の海外駐在員のキャリアを今のうちから知っておきたい方

 

どちらの方にとっても、この記事は参考になると思います。

 

海外駐在経験は転職に有利?元駐在員で現在転職支援をしている僕が解説

 

まとめ:経理は若いうちから海外駐在になりやすく、市場価値も高いのでおすすめ

まとめ:経理は若くから海外駐在を目指しやすい上に、市場価値も高くなるのでおすすめ

 

まとめると、経理は海外駐在員に若いうちから慣れるだけでなく、市場価値も高くなり、人生の可能性が一気に広がります。

 

現金な話で恐縮ですが、高収入の海外駐在員になれば、老後2,000万円問題なんて一瞬で解決します。事実、僕が駐在をしていた時は、特に物価が安いアジアでは「5,000万円〜億を超える資産」を持っている駐在員も比較的多く見てきました。

 

お金を貯めつつ、自身のスキルや市場価値を高められる経理の海外駐在員は、個人的にはとても穴場だと思いますし、良いキャリアになると思います。前述通り、経理や財務・会計分野は専門性が高いため、業種を変える転職もしやすいです。

 

いずれにしても、まずは海外駐在員を多く輩出している企業に転職し、在籍することが必要不可欠です。

 

もしいまの会社で海外駐在員になれそうにない場合は、まずは自身の可能性を幅広く知るためにも、「JAC Recruitment」「doda X」「リクルートダイレクトスカウト」に無料登録は済ませておき、求人を眺めてみることをおすすめします。

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海外駐在経験は転職に有利?元駐在員で現在転職支援をしている僕が解説

 

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