“自由な働き方”をしたい。
キャリアアップ以上に「働き方」を重視する若者が増えている現代において、自由な働き方を夢見る人は多い。
それ自体は良いことだと思うが、その一方、中には「つまらない仕事をするくらいなら辞めて自由になろう」と、仕事を通じて何も得ていない「丸裸の状態」で仕事を辞めてしまう人も多い。
僕個人の意見では、自由な働き方を求めていたとしても、会社から何も身につけていない状態で仕事を辞めることはおすすめしない。
自由な働き方を含む「キャリア」とは、自らデザインして作っていくものだ。ただし、キャリアを自分で自由にデザインしていくためには「それ相応のスキルや準備が必要となる」というのが僕の今回の主張である。
そして、そのスキルや準備をする年代こそ「20代」だ。20代にあなたが取る行動で、30代以降のキャリアの選択肢は大きく変わってくる。
20代をただ何となく生きていると、30代以降で選べる選択肢、働き方の数は少なくなる。
一方、20代で濃密な日々を意図的に作って過ごすことで、30代以降で選べる選択肢、働き方の数は多くなる。
人生の絶頂期が20代だなんて寂しすぎるじゃないか。30代以降に人生のピークを迎えるためにも、20代は闇雲に自由を求めるのではなく、正しく努力することを僕は勧めたい。
自分らしいキャリア築き、将来自由に働く力を得るためにも、20代でやっておくべきキャリアのことを私見で書き連ねていく。
目次
自由な働き方とは?
今回テーマとしている「自由な働き方」の定義をまず始めにしておく。自由な働き方とは、ただ体たらくにダラダラと働く働き方ではなく、自分の好きな・得意なコトを活かして仕事をし、会社や上司に働く時間や場所を縛られることなく、自分の意思で仕事やプライベートを作っていく働き方だ。
不自由な働き方と、自由な働き方を比較すると次のようになる。
☆不自由な働き方
- 会社や上司に嫌な仕事をやらされている
- 会社に依存している(=会社の収入がなければ生きていけない)
- 働く時間や場所の制限がある
- 経済的に不安定
☆自由な働き方
- 自分から仕事を主体的に取り組み楽しんでいる
- 会社に依存していない(=会社の収入がなくても生きていける)
- 働く時間や場所の制限がない
- 経済的に安定
自由な働き方は、会社と個人が対等な関係にある。個人は自分の能力を会社に貸し、会社はその成果に報酬で答える。個人は報酬を得ながら会社のリソースやプラットフォームを利用して、楽しみながら自己成長ができる状態だ。
自由な働き方をする人は確かなスキルを保有し会社に依存していないので、その気になれば個人で起業をすることもできる状態であり精神的な縛りがない。
自由な働き方においては働く時間や場所の制約もない。完全裁量労働制のため、成果が全ての世界だ。事実、こういう働き方を推進する企業は増えてきている(中には優秀な人しかいないが)
また、自由な働き方をしていると言っても、ただ会社に縛られていないだけでなく、ちゃんとした収入を得ていることも定義に加えたい。ただ闇雲に仕事を辞めてアルバイトでもして自由に働くというのは、今回の自由な働き方には含めない。
このような「自由な働き方」を実現するため、20代でやるべき8つのことを私見で話していく。
自由な働き方を実現するため20代でやるべき8つのコト
1. 就職・転職人気企業ランキングは意味がないと認識する
まず初めに言っておきたいことは、会社選びにおいて就職・転職の人気企業ランキングははっきり言って意味を持たないことだ。もしあなたが就職・転職の人気企業ランキングを見て、上から順に行きたい企業を探しているなら、今すぐそれをやめることをおすすめする。
リクルートが就職・転職人気企業のランキングを実施しないと決めたことは2011年のことだが、それから6年が経ち、時代や人々の価値観は着実に変化してきている。確かに、上位にある会社は給料が高く、福利厚生が優れていて、職場環境も良いことは事実だ。ただ、ランキングを鵜呑みにし、上位にある会社が自分に合っていると言わば盲目的に判断してはいけない。
本当に大切なことは「あなたの価値観が何を望むか」だ。自分が本当にやりたいこと、得たいもの、理想の働き方や生き方を明確にし、その軸に沿って企業を選ぶことこそ、最も重要なことである。
自由な働き方をしたいけど能力がないなら、いきなり自由な働き方ができる会社に就職・転職しようと思うのではなく、能力開発ができる別の会社に一度就職し、そこで能力を磨いてからチャレンジすれば良い。深く考えもせず人気企業を受けて入社すると、自由な働き方はどんどん遠のいていく。
繰り返す。大切なのは「自分の価値観」だ。「他人の価値観」で選ばれた就職・転職人気企業ランキングに、あなたの人生を委ねてはいけない。
2. 20代の給料で会社を選ばない
初任給や20代の給料が高いからと言う軸で会社を選ばないようにしよう。残念ながら、20代の給料を優先した企業選びをした人で、30代以降で苦労する人が存在する。
20代の仕事選びは「お金を払ってもしたい仕事」だ。お金を払ってもしたい仕事とは、例えばあなたが大好きで仕方ないことだったり、身につけたいスキルが身につく仕事を指す。
自由な働き方を目指すなら、20代はそのための「スキル」や「経験」を積み重ねることに価値がある時期だ。たとえ20代で良いお金を得たとしても、30代に自分の理想の働き方ができる力が身についているかはわからない。20代でやるべきこと、身につけるべきことを身につけておけば、30代以降で自由な働き方にシフトすることは可能になる。
3. とにかく目の前の仕事を誰よりできるようになること
既にどこかの企業に就職していて、それでも自分の仕事に満足できず、かつ「生涯捧げる価値のある仕事」と呼べるものが見つからない人は多い。そういう人に伝えたいことは「まず目の前の仕事を誰よりできるようになること」だ。
「何かで一番を取る」「何かの分野で誰よりも詳しくなる」という”プロセスを踏んだこと”の価値は高い。何かの分野で抜きん出るために踏んだ「プロセス」というのは、たとえその仕事自体が大きな価値を生まなくても、十分評価に価するものだ。それが雑用であっても、つまらない事務作業であってもだ。
大事なことは、まず目の前の仕事で誰よりも成果をあげることを目指すこと。そしてそれを実現するためにはどうやって仕事をすれば良いか仮説立てと実験、検証を繰り返すことだ。どんな仕事であっても、正しいプロセスに則って仕事をすることで、今後のどんな仕事にも生きる「成果を上げる仕事のやり方」を身につけることができる。
どんな仕事をやっても質の高い仕事をこなせる人材は、どこの企業も喉から手が出るほど欲しがる存在であり、自分でビジネスを構築する起業といった働き方の実現にも繋がっていく。そうすれば将来「生涯続けていきたい仕事」が見つかったとき、そのチャンスを生かすことができるだろう。
4. 20代前半は汎用的スキルを身につける
会社に所属してやりたい仕事を手繰り寄せるためには、一定レベルの仕事のスキルは不可欠だ。
エクセル、英語、社会人としてのビジネススキルは入社3年以内で身につけておこう。エクセルに関しては入社3ヶ月で基本的な関数は抑えるようにしよう。その後実践でエクセルを使いながら、より高度な分析や、生産性を向上させるツールとして活用できるようになろう。
エクセルのおすすめの本はたった1日で即戦力になるExcelの教科書だ。Excelの初歩的な使い方から関数の使い方まで一通りのことが凝縮されている一冊だ。初心者入門編として使い勝手が良いため、僕自身直属の新入社員の後輩におすすめしたりプレゼントするようにしている。
また、英語のスキルは必須だ。外資系コンサルで最も有名なマッキンゼーを始め、多くのトップクラスの企業が「英語ができること」を求める人材像の最低条件としている。
つまり、これから先10年は英語ができることが”有利”になる時代ではなく、英語ができないことが”不利”になってしまう時代だ。最低限、いきなり一人で海外に出張にいくことになっても、問題なくコミュニケーションが取れるレベルにはなろう。
なお、就職や転職活動で英語力をアピールするためには、TOEICで900点は欲しい。点数が低い人は、まず800点を目指そう。ただ、実際のビジネスの場で英語を使って仕事をする上では、TOEICの点数はあまり関係ないが。
関連記事>>>TOEIC800点を確実に取りにいく究極の勉強法
5. 20代後半は専門的スキルを身につける
20代前半で社会人としての汎用的スキルを身につけたなら、20代後半からは専門的スキルを身につけよう。専門的スキルとは次のようなものだ。
- 特有の業界・商品知識
- Webデザインスキル
- Webマーケティングスキル
- 建築設計スキル
- 経営者層に対する営業スキル
専門スキルは30代以降のキャリアに結びつく重要なものだ。いまやっている仕事で身につく「価値ある専門スキル」は何か?それを日々考え、時には上司や先輩の力を借りて、時には会社のプラットフォームを利用して、積極的に経験とスキルを取りにいこう。
もしいまの仕事でピンとくる専門スキルがなければ、初心者でも身につけることができ、なおかつ大きな価値があるスキルとしておすすめは「Webマーケティングスキル」や「Webデザインスキル」だ。
例えば、世界各国でWebマーケティングの需要は高まっており、将来性も加速しているが、日本でもその動きは今後間違いなく加速されていく。その理由は「テクノロジーの急速な進化により、オンラインでサービス・商品を販売・促進することが当たり前になっているため」だ。
一方で、そういった人材の需要に、供給が追いつかないという状況でもある。この裏側を見ると、供給が追いついていないうちは、Webマーケターの収入も増加傾向になることが予想される。事実、Webマーケティングスキルを有したフリーランスマーケターの収入は直近かなり高い水準を推移しており、待遇面で見ても非常におすすめのスキルである。
なお、初心者が手っ取り早くWebマーケティングやWebデザインを学ぶなら、TechAcademy WebデザインコースやTechAcademy Webマーケティングコース」が良い。
最短一ヶ月でスキルを身につけることができるカリキュラムが用意されていて、質も高い。僕自身、会社員で異業種の仕事をやりながら当該スクールのレッスンを受講したが、わずか30日でスキルを身につけることができた。たとえ会社員で別の業種・職種をしながらであっても朝や夜、休日の時間を使ってスキル開発に勤しむことができるので、僕のように将来のために受講するのも良いと思う。体験談は下記の記事で書いている。
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6. 異業界・異業種転職は28歳までにする
個人的に、新卒での就職は「仮の就職」と考えている。なぜなら、社会人として一度たりとも社会で働いたことのない大学生が、自分の理想の会社や働き方などわかるはずもないからだ。
多くの人にとっては、新卒として一度どこかの会社に入り、日々揉まれ、その中で自分が楽しいと感じること、これはやりたくないと感じることは初めてわかってくる。それらを経験した上で、20代半ばでもう一度「本当の就活」をすることを僕は勧める。そうすることで、より自分らしい働き方やキャリアを実現することができる。
ただし一つ条件がある。「異業界・異業種」への転職は極力「28歳まで」にしよう。理由は、28歳までならポテンシャルで採用される可能性が高いからだ。28歳を過ぎると、それ以降は特定分野での専門知識・スキルが転職条件として要求される可能性が高くなるため、自分のやりたい業界・職種に就くことが難しくなる。
異業界・異業種への転職を考えている人は、極力28歳までにできるよう動き始めよう。
7. 転職エージェントには社会人2年目から登録をしておく
社会人一年目はとにかく目の前の仕事を懸命にこなそう。視野が広くなってきた2年目に入った段階で、転職エージェントに登録することをおすすめする。
転職エージェントとは企業と求職者を繋ぐ会社で、求人紹介や転職相談を無料で行ってくれる会社のことだ。転職エージェントに登録をしておくべき理由は次の通りだ。
- 自分の市場価値がわかる
- 客観的に足りない知識・スキルを指摘してくれる
- チャンスを掴める回数が多くなる
転職エージェントに登録すると、今の自分が一体どんな企業に必要とされるか、その「市場価値」がわかるようになる。転職エージェントは日々膨大な数の求職者と関わる。そしてどういうスキルや考え方、バックグラウンドを持っている人材が、どういう会社に入っていくかを毎日見ている。
転職エージェントに登録をしておくと、エージェントは実際に転職を実現した人とあなたを比べ、適正な市場価値を示してくれる。この市場価値がわかるようになると、あなたは今の会社に依存しようという気持ちがなくなる。今の会社がダメでも、他の会社に自分は必要とされるとわかるからだ。
一方、あなたが目指したい企業があるなら、それを転職エージェントに伝えることで、今のあなたに足りない知識やスキル・経験をエージェントは教えてくれる。そのフィードバックを受けることで、今の仕事で足りないスキルや経験を取りにいくこともできるようになる。
また、エージェントに登録をしておけば、必然的に良い求人を手にする機会は増える。バッターボックスに立たないバッターがホームランを打てないのと同じで、転職エージェントに登録していない求職者はいつまで経っても理想の企業に巡り会うことはできない。
おすすめの転職エージェントは「20代転職で使って良かったおすすめ転職サイト・転職エージェント7社」でまとめているので、参考にしてみてほしい。
8. スキル・経験を活かして 複業する
会社に依存しない働き方を実現する上で「会社以外から収入を得る経験」を持つことは重要になる。まずは現在の仕事で大きな成果を出すことが20代においては何より重要だが、現在の仕事で十分な成果を上げ、それでいて使える余暇の時間があるなら、その時間を使って複業をすることをおすすめする。
複業とは、副業のことではない。複業とは「本業と副業の区別をつけない新しい働き方」のことだ。複業においては、元々やっていた本業と呼ばれるもの、新しく始めた副業と呼ばれるものの優劣は存在せず、どちらもあなたの本業となる。それゆえに、複業をするにあたって重視することは以下の3つがある。
☆複業として選ぶ仕事のポイント
- 現在の仕事と相乗効果を生むもの
- 成果給のもの
- 小さくても長く続くビジネス
1. 現在の仕事と相乗効果を生むもの
まず、複業をするにあたっては、現在の仕事と相乗効果を生む複業が良い。社会的には複業はまだ一般的ではないが、現在の仕事にも良い影響を与えるものであれば、本質的に考えれば会社側はそれを拒む理由はないからだ。
複業をすればするほど今の仕事にも活きるので、たとえ収入が得られなくても複業をやる価値自体が上がる。
2. 成果給のもの
最後に、複業は時間給ではなく成果給の仕事を選ぼう。アルバイトで複業をしたところで、それは「あなたの時間を切り売りした結果」であり、「あなたが生み出した価値そのもの」に支払われるものではないと知ろう。複業には「成果給のもの」を選ぶことで、初めて意味のある複業となる。
3. 小さくても長く続くビジネス
複業は規模が小さくても長く続くものが良い。1年や2年一定の収入を得たところで、長い人生において大きな意味はない。例えば僕自身はブログ運営を含む複数の複業をやっているが、ブログ運営(特にアフィリエイト)で食べていくつもりは全くない。今やってる別の仕事の方が10倍は時間もかけているし、それはこれからも変わらないだろう。
なぜか?それはブログ運営は「長く続く」という要素が弱いからだ。検索結果を重視するブログ運営はGoogleに大きく左右されるので、とことん追求しない限りは2年もすれば稼げなくなるだろう。こういう短い期間しか稼げない仕事は、複業としては適していない。
一方、ブログ運営が有効な例外もある。それはブログというプラットフォームを利用して個人マーケティング・ブランディングを図り、その後に自分の作ったサービス・商品の購入へ繋がる「入口」としてブログを使う方法だ。この場合、ブログは有効なマーケティングツールとして働き、やり方次第では中長期的な”長く続く信頼関係”を顧客と構築することができるだろう。
このように、複業は「長く続く」をポイントとして考えると良い。ブログであれば自分、もしくは自分が作ったサービスを広めるためのマーケティングツールとしての利用だ。
いずれにしても他人が言うことは他人が言うことなので聞き流してくれても構わないが、興味があるならブログ運営でも他のことでも試してみることをおすすめする。
まとめ
今が良かれと努力を怠ると、20代で人生の絶頂期を迎え、30代以降は自由なキャリアや人生を選ぶことができなくなる可能性は高い。
自由な働き方を選ぶために必要なのは「20代で得たスキルや経験」そのものだ。そういうお金で買えないモノを身につけるために、20代は仕事選び、余暇の使い方を自分なりに考えると良い。
最後に、個人的に考える自由な働き方へのシフトの順序は次のようになる。
- 就職した企業でスキル・経験を得る
- 足りないスキル・経験を転職や複業を通じて戦略的に得る
- 十分なスキル・経験を得たら自由な働き方へシフトする
自由な働き方を実現するには「順序」があるということだ。
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