「無職なんだけど、こんな自分でも転職できそうですかね?」
僕は現在キャリア支援の仕事をしているのですが、先日このような相談を、現在離職中で無職の方から転職相談をもらいました。
この方は、無職・フリーターは転職なんて簡単にできないと考えていました。ネットでいろんなマイナス意見を目にして、そう感じたそうです。
確かにネットを調べていると、無職だと転職はできないとか、いろんな情報があって頭を悩ますはずです。
でも実際こういう記事は、実は一度も転職をしたことがなく、かつ転職市場に精通もしていない人が書いていることも実は多いんです。要は、正しい情報ではない可能性もあるということです。一概には言えませんが。
そこで今回は、転職市場を知り尽くしているキャリアのプロであり、かつ自身も転職を経験している僕が、「無職・フリーター・ブランク期間ありの転職」について徹底的に解説していきます。
この記事を読み終わった頃には、いままで知らなかった選択肢も見えるようになっているはずです。
目次
無職・ブランク期間が長くても転職できる
まず初めに結論ですが、無職期間が長くても転職はできます。
このご時世、求人の数なんて山ほどありますよ。
以下の図を見てください。求人倍率2.87倍と、非常に高い水準を記録しています。2.87倍というのは、1人当たり2.87社の求人が存在しているということ。つまり、求人が余っているということです。
引用:2017年12月の転職求人倍率は前月から0.41pt上昇し、2.87倍。2017年の求人倍率の最高値を更新 |転職ならDODA(デューダ)
転職できることはこの数字が物語っています。ブランクの期間が長いからと言って、100%仕事に就けないということはありません。
ハードルはもちろん上がる
とはいえ、無職・フリーターの人の転職のハードルは上がります。
もちろんそうですよね。多くの人は不利にならないため、歯を食いしばって今の仕事を頑張っているわけです。日本の社会は、歯を食いしばっても働いている人が評価されるので、現職がある人とない人では、最初から評価は変わってくるわけです。
これは仕方ないことと諦めて前を向きましょう。ハードルは上がりますが、それでも転職はできます。そのことをまずは覚えておきましょう。
半年くらいからハードルは高くなる
具体的な無職・ブランク期間ですが、僕自身の実感値としては、だいたい無職期間が半年以上あると、書類の段階で落とされたり、企業側から面接で突っ込まれるケースが多い印象ですね。
この半年という数字も明確ではないですが、だいたいこんな感じのところが平均して多いです。企業によってバラバラです。
というのも、企業側は「無職の間、何をやっていたか」で、その人のことを判断するからです。この無職の間に何をやっていたか、これに上手く答えられれば大丈夫です。
例えば、転職活動をする人の中には、一度現職を辞めてから活動をする人も一定数います。東京で働いている人で、地元の九州で転職をしたい人は、なかなか九州で転職活動をすることはできないですよね。そういう人は現職を辞め、地元に帰ってから転職活動をするパターンもあります。
こういうケースの場合、ちゃんと説明できれば大丈夫なケースも多いです。
逆に、無職期間が1年とかになると、逆に説明できないことが多くなる傾向があります。1年間まるまる転職活動をしていたって、なかなか言えないですよね(笑)口が達者なら大丈夫だと思います。
無職の期間はないに越したことはない
ですので、無職の期間はないに越したことはありません。
全く同じレベルの候補者が2人いたとして、かたや現職があり、かたや無職であるなら、多くの企業は前者の方を選びます。
ですので、もしあなたがまだ現職があり、会社を辞めてから転職するか、それとも現職を続けながら転職するか悩んでいるなら、会社を辞めることを早まらないことです。
やっぱり無職期間が多くなると、そもそも書類で落とされることが多くなります。そうすると、いくら口先が達者でも、面接の機会さえつかめないなんてことが起こります。
もし既に無職・フリーターになっている場合、それはもう仕方ありません。前を向いて、ここから頑張って転職を実現しましょう。
無職の人の狙い目の求人とは?
では無職・フリーターの人はどんな企業に入れるのでしょうか?
キャリア支援をしている立場としては、無職の人にとって狙い目の求人というものがあります。
急募かつ未経験OKの求人が狙い目
それこそ、急募かつ未経験OKの求人ですね。
なぜかと言うと、こういう求人は単純に人員不足に陥っていて、すぐにでも入ってくれる人が欲しいからです。
この手の求人は特に高いスキルは求めておらず、とにかく最短での入社を希望しています。
ですので、現職がある方の場合、現職の引き継ぎ期間などを考慮すると、それだと遅すぎることが多いんですよ。だから敢えて、すぐにジョインできる離職中の無職・フリーターを狙っているところもあります。
ですので、もし最短で転職を実現したいなら、こういう求人に狙いを定めることも一つの戦略ですね。
あとは不人気業界なんかも無職で入りやすいです。要は「人がやりたがらないこと」であれば、スムーズに転職できる可能性が高いということです。
とはいえ、こういう不人気業界にはそれなりに不人気な理由があるため、個人的にはあまりおすすめしていません。
無職からの転職実績が多い求人サービスを利用することが鍵
無職から転職は可能。でもハードルは高い。このことは何となくわかったと思います。
無職・フリーターから良い仕事に就くのは難しい側面がありますが、それでも可能なら、少しでも良い条件の仕事に就きたいですよね。
そして、そんな良い条件の会社に入るためには、キーポイントがあります。それは、無職からの転職実績が多い求人サービスを利用することです。
当然ですが、前例がたくさんあればあるほど、あなたの選択肢も広がります。単純にそれに従えば良いんです。
無職から転職を実現!おすすめの求人サービス
「じゃあどんな求人サービスが、無職の自分にはおすすめなの?」と思うでしょう。ですのでここでは、無職の状態から転職を実現しやすい求人サービスをご紹介します。
無職・フリーター就職に強い求人サイト
地元で働きたい人のための「はたらいく」
はたらいくは地元で働きたい人向けの転職サイトです。そのコンセプト通り、家の近くで働ける求人を多数扱っています。
無職・フリーター専用の転職サイトではありませんが、未経験OKの求人が多いサイトです。全国エリアに対応もしているので、登録して求人を見てみると良いです。
運営がリクルートグループという大手なのでそこも安心ですね。
なお、はたらいくは転職エージェントではなく転職サイトのため、自分で求人に応募する必要があります。
フリーター・既卒・第二新卒向け「ハタラクティブ」
ハタラクティブ は、「20代をメインとした若年層の就職・転職」の支援サービスです。
対象者は「フリーター」「既卒」の方など。「完全に未経験でも正社員として就職できる求人」をメインに取り扱っている求人サービスです。
多くのフリーターの人が、正社員就職を実現している求人サービスです。なので、登録は必須ですね。
ただし、対象エリアは一都三県(東京、神奈川、埼玉、千葉)のみとなっています。
ハタラクティブ
パーソルキャリア&東京都の公共事業「若者正社員チャレンジ」
フリーター・ニート脱却というコンセプトのもと、若者の正社員就職をサポートするサービスが若者正社員チャレンジ事業です。
このサービスの特徴は、東京都の支援事業である点です。 人材大手のパーソルキャリア社が東京しごと財団から受託している公共事業であり、安心感があるサービスです。
このサービスにも利用条件があり、
- 卒業後、就職・就業経験のない方
- 卒業後、非正規での就業経験のみの方
- 直近2年以内に、正社員の職歴が通算1年を超えない方
これらに当てはまる人が利用することができます。要は、正社員としての職歴がほとんどない人が対象というですね。
若者正社員チャレンジ事業
総合型の転職エージェントは落とされることが多いが、トライしてみる
個人的には総合型の転職エージェントも是非利用をトライしてみて欲しいですが、実は現職がない場合、大手の総合型転職エージェントは申し込み段階で断られる可能性があります。
それでも、中には申し込みをクリアして無事転職を実現された方もいるので、是非トライしてみて欲しいですね。
おすすめの総合型転職エージェントはリクルートエージェントとDODAです。
リクルートエージェント、ここは王道です。どんな経歴でも、どんな年齢でも、あらゆる人の転職実績を持っている大手の転職エージェントです。無職・フリーター専門ではないですが、ここは必ず登録を試みてみるべきです。
使えたらラッキーくらいの温度感で登録をおすすめします。もし受けてもらえれば、可能性は一気に広がりますよ。
そしてDODAもリクルートエージェントと並んでおすすめです。
DODAも業界有数の転職エージェントです。豊富な求人を取り揃えていて、どんな境遇の人の転職実績を持っています。
ただ残念ながら、こちらもリクルートエージェントと同様、申し込み段階で断られる可能性があります。
それでも、リクルートエージェントとDODAは転職エージェントの大手の2社です。この2社は、転職なら登録必須の2社です。ですので、挑戦だけはしてみて欲しいです。
転職市場のあらゆる情報もこの2社に集まっていきますので、いろいろと有利に事を進められるようになりますよ。
業界有数の求人数と豊富な非公開求人!/DODAエージェントサービス
転職サイト・転職エージェントは複数登録する
そして非常に重要なこと。転職サイト・転職エージェントは、必ず「複数」登録をしておくことが大切です。なぜなら、1つの求人サイトだけでは、良い案件をカバーしきれないからです。
僕が転職をした際は、転職エージェントだけで5社、転職サイトも含めれば10社は登録をしていました。
結果として、併用していて良かったですよ。それぞれ案件も違いますし、エージェントの場合は担当コンサルタントが持っている情報も違いました。メリットばかりで、デメリットらしいデメリットは見つかりませんでしたね。
唯一めんどくさかったのは、それぞれの求人サービスにそれぞれ登録する必要があったこと。でも、そんなのは数時間まとめてやれば終わりました。
就職・転職って人生がかかっていることだったので、妥協しなくて良かったと思っています。かけるべき手間だと思いますよ。面倒かもしれませんが、必ず複数登録まで済ませて欲しいですね。
まとめ
述べてきた通り、無職期間が長い人でも、転職はできます。
それでも、簡単ではありません。ですので、妥協せず、次の転職で必ず好条件の企業に入社することに注力すべきですね。
今は近年稀に見る売り手市場で、転職しやすい転職ボーナス時期です。ですので、この絶好のチャンスを逃さないことが大切ですね。