新社会人をこれから迎える方や、迎えてまもない方にとって、これからどんな毎日が待ち受けているのか、期待と不安で胸がいっぱいだろう。
そこで今回は、これから社会人生活を始める新入社員や、現在新入社員として新しい日々をスタートした人のために「新入社員がやるべき具体的な11の仕事術や心得」を紹介する。最高のスタートダッシュを切るために、実践すべき仕事の方法だ。
僕自身日本人や外国人の部下を持っているが、今回紹介することは実際に僕が新入社員たちに教えている仕事術の一例である。今回はその中でも重視して教えている11の仕事術・心得をピックアップして紹介する。
目次
- 新入社員の仕事術1:タスクリストを朝一で作る
- 新入社員の仕事術2:全てのタスクに時間制限を設ける
- 新入社員の仕事術3:タスクをスケジュール表に落とし込む
- 新入社員の仕事術4:絶対にスケジュール通りに行動する
- 新入社員の仕事術5:エクセルのショートカットは最初の一ヶ月で叩き込む
- 新入社員の仕事術6:PCの単語登録を100種類入れておく
- 新入社員の仕事術7:全ての仕事でKSFを常に考える
- 新入社員の仕事術8:仕事の進捗報告を1日1回上司に報告し、フィードバックをもらう
- 新入社員の仕事術9:3分考えてわからないことは上司に質問する
- 新入社員の仕事術10:矢面に立つ経験を積む
- 新入社員の仕事術11:新入社員ならではのバリューを提供する
- 新入社員の方々、最高のスタートダッシュを切ろう
新入社員の仕事術1:タスクリストを朝一で作る
まず始めに伝えておきたいことはタスクリストの重要性だ。タスクリストは必ず作ろう。大量の仕事に追われる社会人にとって、タスクリストは死ぬほど重要なものだからだ。
なぜタスクリストを作らなければいけないか?それは、タスクリストを作らないと自分自身の業務がパンクする可能性が高いからだ。前述通り、ビジネスマンが抱える仕事は多岐に渡り量も膨大である。いまやるべきタスクリストが存在しないと、目の前にさらされている大量の業務に悩殺され、いまやるべきことや優先順位が何なのか、見えなくなってしまう可能性が高い。
新人・ベテラン問わず大量の仕事が降りかかってきてパニックに陥る人の共通点は、「自分がいまやるべき仕事を整理できていない点」に集約される。それはタスクリストがないからいまやることが整理できていないのであり、裏を返せばタスクリストを作ることで、今自分がやるべきことは整理される。すると大量の仕事があったとしても、いま何をやれば良いかわからずパニックに陥るということは無くなる。一つ一つのタスクをこなしていくことで、確実にゴールに近づくという絵が描けるからだ。
タスクリストを作らないビジネスマンに仕事ができる人はほとんどいない。新入社員の方は、まずこのことを頭に入れておこう。
新入社員の仕事術2:全てのタスクに時間制限を設ける
制限時間のないタスクはタスクと呼べない。タスクは作ったら、その全てに必ず制限時間を設けよう。
全ての仕事には時間が密接に絡んでいる。永遠に取り組み続けられる仕事など存在しないのだ。タスクに時間制限を設けないと、タイムマネジメント力はいつまで経っても身に付かず、常に仕事に翻弄される社会人生活を送ることになる。タイムマネジメント力がないと日々の残業も増え、心身ともに疲労を重ねることになる。
全てのタスクに時間制限を設けることは、仕事にコントロールされる人生ではなく、仕事をコントロールする人生を歩むために必要不可欠なことだ。議事録を作成する、メールの返信をする、資料の作成をする。こういう全てのタスクに時間制限を必ず設けよう。
新入社員の仕事術3:タスクをスケジュール表に落とし込む
前項でタスクリストに時間制限を設けたが、タスクリストはそれ単独では意味を持たない。なぜなら、タスクリストはスケジュール表に落とし込むことで、大きな効力を持つものだからだ。スケジュール管理がうまい人は、例外なくタスクをスケジュールと結びつけている。
タスクリスト作ったことがある社会人ならわかると思うが、タスクリストの欠点は「未完の項目が残りやすい点」と「1日の流れが可視化できない点」にある。その理由は、タスクリスト自体が時間軸を持っていないからだ。
一方で、スケジュール表は0時から24時までの時間軸を有する。タスクリストに時間軸を持たせるためには、時間軸を持つスケジュール表に落とし込むことが一番手っ取り早いのだ。時間軸のあるスケジュール表に落とし込むと「今日一日24時間やるべきことはこれで、今はこの部分をやる時間」という風に一日の流れと今やるべきことが明確になる。時間ごとにタスクが設定されるので未完となるタスク自体も減り、1日を通じたタイムマネジメントもずっとしやすくなる。
タスクリストは時間軸を持つスケジュール表に落とし込むことで、大きな効力を発揮する。このことを覚えておこう。
新入社員の仕事術4:絶対にスケジュール通りに行動する
タスクをスケジュールに落とし込んで満足してはいけない。必ずスケジュール通りに行動することを守ろう。
スケジュールを組んで最初にぶつかる壁は、決めたスケジュール内でタスクが終わらないという壁だ。ここで挫折して「やっぱスケジュール通りに行動するのは無理だ」と思ってしまう新人も多いが、そこで挫けてはいけない。
何としてもスケジュール通りに動くことで生まれるメリットは「限られた時間で仕事をこなす方法を、真剣に考えるようになること」だ。「どうすればこの時間内でタスクを終わらせることができるか?」と常に考えるようになるので、仕事の工夫が生まれる。仕事の工夫が生まれるので仕事もどんどん早くなり、成果も評価も上がっていく。こういう正のスパイラルに入ると、仕事は楽しくなっていくものだ。
新入社員の仕事術5:エクセルのショートカットは最初の一ヶ月で叩き込む
エクセルが使えることは社会人の前提条件だ。エクセルは日常の仕事を効率化するために必須のツールであり、初めの内に習得していくと長期的に見ても多くの時間を節約することができる。
中でも、エクセルのショートカットは初めの一ヶ月で叩き込もう。本当は1秒でできる操作に、1分もかけるのは無駄の極みである。そういう無駄を省いてより生産的な仕事に注力するためにも、エクセルショートカットは覚えて使いこなせるようにしておこう。
エクセルを短期間で習得するならたった1日で即戦力になるExcelの教科書が良かったので紹介しておく。この土日からエクセルの使い方は勉強を初め、4月中には習得しておくとスタートダッシュとして良い。
新入社員の仕事術6:PCの単語登録を100種類入れておく
メールや資料を作成する際に多くの文字を入力することは、社会人の仕事で大きな時間的ウェイトを占める。文字入力の時間を減らすためにも、PCの単語登録を必ずしておこう。
単語登録を知らない新入社員もいると思うので説明をしておく。単語登録とは、いわゆる「予測変換機能」のことである。例えば「あ」と入力したら「ありがとうございます」と予測変換を出す、「よ」と入力したら「よろしくお願いします」と予測変換を出す。この入力値と、入力した際に呼び出す単語を登録することが、単語登録である。
単語登録は会社の名前や自分の名前、取引先の名称や担当者名、よく使うビジネス例文など100種類は登録しておこう。参考までに、僕個人は1000近くの単語登録をしている。1000種類となると呼び出し項目も多くなるため登録の工夫が必要だが、このおかげでメールや文章作成の時間は少なく見積もっても1/10には抑えられている。
最近はスマホを使って仕事をする人も増えているので、スマホの単語登録もがっつりやっておくことをおすすめする。
他サイトだが、単語登録は下記を参考にやってみよう。
- Windowsの単語登録方法:パソコンに単語登録をする方法 | ミライFAN [ミライファン]
- Macの単語登録方法:Mac – よく使う単語をユーザー辞書に追加/削除 – PC設定のカルマ
- iPhoneの単語登録方法:iPhoneで単語登録
新入社員の仕事術7:全ての仕事でKSFを常に考える
周囲の新入社員から一歩二歩リードしたいなら、いまやっている仕事の“KSF”は何かを考える癖をつけよう。KSFとはKey Success Factorの略であり「最も重要な要素」という意味だ。
本当に仕事ができる人は、このKSFを常に意識して仕事に取り組んでいる。KSFを意識して仕事をしているので、自分のやっている仕事で重要なこと、重要でないことの見分け方が抜群に上手くなるのだ。
彼らは重要なことと重要でないことが瞬時にわかるので、無駄なことは一切やらないし、その分の時間を重要なことに使い、2倍、3倍、10倍の成果を上げていく。
これはベテラン社員でもなかなかできていない人が多いが、新入社員の時からKSFを意識することで、将来大成する人材になることができる。良質な仕事をする上で極めて重要な考え方なので、早い内に習慣として身につけておこう。
新入社員の仕事術8:仕事の進捗報告を1日1回上司に報告し、フィードバックをもらう
新入社員の仕事の成果は大抵の場合低い。上司が求めている成果と見当違いのところに向かう可能性も否定できないので、仕事の進捗は随時上司に報告しフィードバックを受けるようにしよう。
定期的に上司の進捗をしないとどうなるか?例を挙げると、議事録の作成を任されたが、最終的な成果物を提出したときに差し戻しとなり、1から作り直しになるケースがよくある。今まで費やした時間は無駄になり、また時間と労力をかけなければいけなくなる。最悪の場合期限に間に合うこともできず、上司からの信頼失墜にもつながる。
この相手が上司ならまだ良いが、相手が顧客であれば話はさらに複雑になる。顧客の指定する納期は絶対であり、納期内で満足出来る水準のアウトプットを出すことが必要だからだ。
これを防ぐためにも、仕事やプロジェクトの進捗は上司に1日1回、夕方の時間に報告しよう。方向性が違ったらそこで随時修正していけば良いし、このやり方のほうが間違いなく効率的であり、良い成果に繋がる。
新入社員の仕事術9:3分考えてわからないことは上司に質問する
新入社員はわからないことだらけだ。それは仕方のないことである。だが、それを恥ずかしいものと思う気持ちは常に持ち、わからないことをなくす努力は怠らないようにしよう。
具体的には、わからないことを決して放置しないことだ。3分調べてわからなければ、潔く上司に聞いてしまおう。個人的な所感で言えば、10秒考えてわからなければ聞いても良いと思っている。
よく、わからないことはわかるまで自分で調べろという体育会の考えの人がいるが、僕はそれに真っ向から反対である。そういう人はコスト概念が欠落しているからだ。
コストには「お金」と「時間」の2種類がある。たとえあなたが新入社員でも、働いている時間は「給料」というコストが会社にかかっている。あなたが調べ事をしている時間は会社に1円も利益を生まず、数百円、数千円単位のお金を蝕んでいると覚えておこう。
一方、仕事外の時間においては「あなたの人生の時間」というコストがかかっている。一個人で見ればこちらのコストの方がよっぽど大事だろう。上司に聞けば3秒でわかることに「あなたの人生の時間」という貴重なコストを無闇に使わないようにしよう。
わからないことをどんどん質問する。これが許されるのが、新入社員の特権だ。
新入社員の仕事術10:矢面に立つ経験を積む
矢面に立つ経験は、そのままビジネスマンとしての価値・経験に繋がると覚えておこう。
矢面に立つとは「責任を持つ」と同義である。自分のした仕事の成果が芳しくなかったとき、多くの新入社員は「上司の教えが悪かった」とか「教わってないこと/知らないことだった」と言い訳をする。顧客のクレームを受けたら、なんとか上司に立ち会ってもらいたいという弱い心も出てくるだろう。
それでも、そういう場面で自分が矢面に立つ経験を重ねることで、自律性や責任感といったビジネスマンの根底部分が鍛えられる。矢面に立つ経験を重ねない社会人は、将来リーダー層になったとき、一切決断もできず、責任逃れの行動を繰り返すものだ。
「一切の責任を自分が負うから、お前たちは自分の思った通りに仕事をしよう」
将来部下にこう言える上司になるためにも、矢面に立つ経験から逃げることはやめよう。
新入社員の仕事術11:新入社員ならではのバリューを提供する
新入社員はベテラン社員とは違う。新入社員には新入社員ならではの良さがあるのだ。その利点を生かして、新入社員ならではのバリューを提供しよう。
新鮮な価値観で思ったことを発言し議論を活発化させる、雑用を率先して働きやすい職場環境を作る、飲み会の幹事をやってみんなを楽しませる。こういうことは新入社員だからこそやる機会が多い仕事でもある。他の新入社員が避けたいと思う面倒な仕事や雑用こそ、実際は上の人がよく観察していて、評価に繋がるものだ。そういう人材は面白い仕事を自然と任されるようになり、社会人として様々な経験や挑戦機会を得られるようになる。
新入社員の方々、最高のスタートダッシュを切ろう
学生の頃、社会人生活は楽しくないものだと思っていた。学生より使える時間は少ないし、仕事も大変だろうと考えていたからだ。
だが一年経った頃には当初の考えとは真逆で、社会人ならではの楽しさを満喫していた。日々の仕事は大変だったが、一つ一つの経験が自分の糧になっていたのは肌で感じていたし、多くの人と関わって仕事をすることが凄く楽しかった。
仕事を楽しめるか楽しめないかの分岐点は「仕事にコントロールされるか、仕事をコントロールできるか」にある。これを読んだ新入社員の方々が「仕事にコントロールされる側でなく仕事をコントロールできる人材」となり、仕事を通じて自分の夢を叶えたり、楽しい社会人生活を送れることを心から祈っている。
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